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ツアー報告

Tour Report

フィリピン スービック TDIアドバンスド・レックダイバーコース

テクニカルダイビングコース


沈船探検ダイバー育成コースを開催しました。

沈船を潜ると言いましても、ただ全景を眺めるだけでなく、艦内に侵入つまりペネトレーションを行うダイビングのトレーニングコースです。

そして戦後残っている沈船で形状を維持しているのは水深が深く内湾にあるものが多いです。
つまり水深が深く濁っているスポットが多いため、
減圧ダイビングや低視界ダイビングのテクニックも必要となる難易度の高いダイバーコースになります。

この難しさが、クセになる。

また探検したくなる。

わくわくが止まりません。



このコースでは、たくさんの器材が必要となり、現地までの運搬も大切な計画のひとつです。
バッテリーは機内持ち込み、ライトから電池は抜く。命を預けるダイビング器材は安全に大切に運びます。



[天気]晴れ [気温]35℃ [水温]27℃ [視界]★m [海況]良好

今回は10日間の日程で、アドバンスドナイトロックス、減圧手順、アドバンスドレックという三つのコースを行いました。
そして、隙間の時間を見つけて、沈船の本格的な探検をしてきましたよ。



現地ショップのガイドさんの家族の誕生日パーティーに招いてもらいました。
お祝い料理のレチョン、豚の丸焼きなどおなかいっぱいです。



スービックは、18世紀末にフィリピンを最初に征服ししたスペイン人によって作られた軍事拠点となる港で、その後はアメリカが管理をしていました。
第二次世界大戦で、1942年に大日本帝国が占領したが、終戦後、フィリピンとアメリカの間で協定が結ばれましたが、1991年にはフィリピンに返却された。アメリカがインフラ整備をしてくれた土台に経済特区になった。世界情勢の変化により、2015年にアメリカ軍が駐留がはじまっています。


スービックという場所ですが、スービックはマニラから北へ約130kmの距離にあり車で約3~4時間で到着します。何故、130kmで4時間も?と疑問に思われるかもしれません!それは渋滞が当たり前のマニラを抜け最近こそ高速道路ができいくらか良くはなりましたがほぼ一本道で何かあればすぐに渋滞というここフィリピンの道路事情の悪さの為です。ここスービックはオロンガポ市を中心に米海軍基地跡を利用したSBMA(スービック湾都市開発庁)管轄のフリーポートゾーンが有りまるでフィリピンの中のアメリカといった感じです。海軍の置き土産のインフラ(電気、ガス、水道)をそのまま使っているので生活は快適です。



このスービックの目玉スポットである、装甲巡洋艦USSニューヨーク (USS New York, ACR-2) は、129年前に建造され、第2次大戦初期に沈められた、アメリカ海軍重巡洋艦。 スービック湾の中央、水深30mの海に沈んでいる。 1991年のピナツボ山の大噴火で船体の半分は火山灰に埋もれている。
USSニューヨークは1888年に建造を開始し、1891年に進水した全長115m、全幅20m、総排水量8,150tを誇る当時最新鋭のCA-2型重巡洋艦。合計17,000馬力を咆哮する4基のエンジンは、艦長以下550名の乗組員を載せ、最大速力21ノットの航行を可能とした。世界中で輝かしい戦歴を重ね、1932年に再びアジア艦隊に戻り、1933年には電力供給と船舶部材製造所としてオロンガポ造船所に係留されて晩年を迎える。 そして太平洋戦争が始まった直後の1941年のクリスマス、日本帝国海軍の手に渡らない様にアメリカ海軍がでスービック湾に沈めたと言われている。

この巨大なパドルシップへのペネトレーションには、様々な知識、ノウハウ、テクニック、そして心構えが必要となります。迷い込んだら抜け出せないような迷路のような通路。深い水深により、必要となる減圧手順方法。せまくシルトの積もった艦内は、少しのフィンワークや動作の乱れであっというまになくなる視界。極めて難易度が高いのがこのニューヨークへのペネトレーションです。横倒しになった艦内には大きなエンジンルームや様々な通路、トレーニングで得た最高のテクニックとノウハウと心構えを持ち探検するわくわく感そしてロマンを感じずにはいられません。

今回のメンバーも楽しみながら、悩みながら、難しいトレーニングをクリアし、意識を高め、このニューヨークにチャレンジすることができました。Nさん、Yさん、Mさんまた探検の旅に出かけましょう。これからの水中探検ライフが楽しみですね。

このような歴史的建造物にテクニカルダイバーという資格を持ち、船内に侵入すると、歴史を学びたくなり、その時代に様々な立場で、懸命に生きた人たちの気持ちを想い、平和と戦争、世界、国家、地域、会社、仲間、家族、いろいろな事が頭に浮かび、この時代を生きていることに感謝の気持ちでいっぱいになり、このような経験は人生を深く考えさせられる。
ダイビングにもいろいろな楽しみ方がありますが、このようなマニアックなレックダイビングもひとつの楽しみ方であります。興味が湧いた人は、信頼できるテクニカルダイビングのアドバンスレックインストラクターに問合せしてみてほしい。その先にはすばらしい体験が待っていますよ。

No Wreck! No Life!


written by かとう だいすけ