ダイバーが水中で欠かすことができないものは、『呼吸ガス』ですね。

普段のダイビングでは、
残圧計をみて、少なくなったら、ダイビングを終了するという方法で安全にダイビングをしていると思います。
確かに、残圧計さえみていれば、残りどれだけいられるのか分かりますね。

しかし、水面まで足りるのだろうかと不安になったことはありませんか?
実はガス消費を予測しておくことはできるのです。

今回、お話ししたいのはテクニカルダイビングやソロダイビングで行っているガスマネジメントという考え方からレクリエーショナルダイバーにとって役立つことをお話ししたいと思います。

普段のダイビングで想像してみてください。
なにかあったら、すぐに直接浮上しても安全な環境なら、それほど重要ではないかもしれませんが、
例えば、
・ボートダイビングでアンカーまで戻らないといけない。
・水面は航路にもなっているので、直接浮上ができない。
・初めてのダイブサイトで、ガイドさんの潜り方や考え方がまだ分からない。
・ディープダイビングで予期せぬ事態になったらイチかバチかになる。

想像するとリスクの高い環境って普段のダイビングでもありえますね。

このようなシュチュエーションの時に役立つガスマネジメントについてお話ししていきます。

物事をシンプルにするには、複雑と思われることを単に順に辿っていくのが近道です。
数学嫌いの人はこのブログを読み進めると計算問題に拒絶反応出てしまうかもしれませんが、
ここででてくる計算はとっても簡単です。足し算、引き算、掛け算、割り算だけです。
辛抱強く順に読み進めてくださいね。

シリンダー(タンク)の容量を知る


日本のシリンダーの場合、最も普及しているのは、スチールメタリコンといわれるシリンダーで10リットルという容量が一般的ですね。また日本の残圧計では、満タンで、200barが一般的です。今回はこの10リットルの容量のシリンダーで200bar充填されているシリンダーで見ていきたいと思います。

200barとは200気圧ということで、我々の暮らす地上の大気圧1気圧の200倍に圧縮されていることが分かります。

10リットルのシリンダーに200倍詰まっているので、10リットル×200倍=2000リットルの容量があることが分かります。 

実は、シリンダーのサイズと圧力で、入っているガスボリュームを知ることができるのです。



自分の呼吸量を知る


さて、みなさんは、自分がどれだけ空気を消費しているか知っていますか?

実はとても簡単に計測することができるのです。
例えば、深度10mで20分を泳ぎます。使うシリンダーは10リットルのサイズだとします。
注意することは、深度を維持することといつものゆったりとしたペースで泳ぐことです。

この時に、残圧計をチェックします。スタート圧と終了圧をみます。
スタート圧が150barだとして、終了圧が110barだったとします。
150bar-110bar=使用圧は40barです。

さてここから3つの計算をします。

1つめは、使用ガスボリュームを計算します。
シリンダーサイズは10リットルですから、ガスボリュームを計算することができますね。
10リットル×40bar=400リットル消費したことが分かります。

2つめは、1分間の消費量を計算します。
20分で400リットル消費しましたので、
400リットル÷20分=1分間に20リットル消費したことが分かります。

3つめは、その深度での消費量を大気圧下(水面)での消費量に計算します。
深度を圧力に置き換える計算をします。
大気圧は1気圧。深度10mごとに1気圧加算されましたね。
よって深度10mの圧力は2気圧になります。
計算式にすると、深度10m÷10(10mごとに1気圧)+1(大気圧)=2気圧です。
2気圧とは地上(水面)の2倍消費することということですので、
深度10mでの1分間の消費量20リットル÷2気圧=地上での消費量は1分間に10リットルということが分かります。



このように水中で活動するダイバーが1分間に消費するガス量を計算できるのです。
これをRMV(Respiratory Minute Volume: 分時換気量)と呼んでいます。

このダイバーはRMV10リットルということになります。



もうひとつSACレート(Surface Air Consumption Rate: 水面空気消費率)という単位もあります。SCRと呼ぶこともあります。RMVと同義語になっていたりしますが、SACレートに関しては、実際に水面で活動せず静止した状態で1分間に消費するガス量を指しています。SACレートについてはSDIソロダイバーコースの実技で計測しています。

さきほどRMVの計測と計算方法についてお伝えしましたが、RMVとは、様々な影響によって変動します。
例えば、暖かい海でウエットスーツで快適な時と極寒の海でドライスーツで耐えている時でも変わりますし、
海の穏やかな時と荒れている時でも変わります。またそのダイバーの体調やメンタルの状態の違いでも変動するものです。

その変動をダイブファクターという数値に置き換えて使用量を予測することもできます。
例えば、軽装備でノンストレスなダイビングの時でしたら、SACレートに対してダイブファクターは1.5。
SACが8リットルだった場合は、SAC8リットル×ダイブファクター1.5=RMV12リットルと予測することができます。
また予測を元に実際のダイビングの数値を追跡していくことで、自分自身の正確なダイブファクターを予測することができるようになっていきます。

また最近のトランスミッター付きのダイブコンピュータの中には、潜りながらその都度、RMVをリアルタイムで見ることもできるものもありますよ。


どれくらいの時間、ダイビングできるのか知る

それでは、今から深度30mに潜ります。使うシリンダーは10リットル200bar充填されています。あなたのRMVは10リットルです。さてどれだけ潜れるでしょうか?

まず終了時の残圧を70bar残すとしましょう。つまりスタート圧200bar-終了圧70bar=130bar使用できます。
シリンダー10リットル×130bar=1300リットル使用できます。
深度は30mですから、水面の4倍消費します。そしてRMVから水面で10リットル消費することが分かりますから、

使用圧1300リットル÷4気圧(深度30m)÷RMV10リットル=32.5分 滞在できることが分かります。
※この他にもダイブテーブルなどでノンストップリミットなども確認しなければいけません
これらの実技はTDIアドバンストナイトロックスダイバーコースなどで行っています。
ダイビングを行き当たりばったりではなく、計画的に予測して潜ることができるようになりますよ。

今回はガスマネジメントをレクリエーショナルダイビングに応用できることをお話ししました。
以前に『エア切れについて考えていますか?』というブログを書いていますので、エア切れ対策についてはそちらを参考にしてみてください。

またどこかでテクニカルダイビングのガスマネージメントについてもお話ししたいと思います。


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