こんにちは。加藤大典です。
今回は、ダイブプロフェッショナルがTDIのテクニカルダイバーコースを受講すべき理由をお伝えしたいと思います。

4つのキーポイントでお話します。


  • 高度なダイビングを学べます。
  • ダイビングのマーケットが大きくなります。
  • より安全なダイビングが提供できます。
  • ダイビングという仕事が改めて楽しくなります。

それでは順にお話ししていきたいと思います。


高度なダイビングが学べます。



TDIではダイビングを『レクリエーショナルダイビング』『サイエンスダイビング』『コマーシャルダイビング』に分類しています。
遊びか、研究か、仕事かということです。

どの分野でも日々、技術革新が行われ、器材が進化することで、そのノウハウも進化しています。
技術もより長い年月の中でそれぞれのプロフェショナルが技を磨いて卓越してきています。



ほとんどの人が、テクニカルダイビングはテクニカルダイビングであり、レクリエーショナルダイビングではない。とカテゴリしていると思います。

しかし違います。レクリエーショナルとは遊びですから、
TDIが行うテクニカルダイビングは遊びのためのダイビングコースなのです。
テクニカルダイビングのカテゴリは、レクリエーショナルダイビングなのです。

しかし、TDIのテクニカルダイビングを学びに訪れる、研究者ダイバー、調査ダイバー、作業ダイバーはあとを絶ちません。
もともとTDIのテクニカルダイビングはあらゆる分野の専門的ダイビングのノウハウを集めて、学びやすいコースに落とし込んだダイビング教育カリキュラムです。探検、サイエンス、コマーシャル、ミリタリーなどのノウハウが融合されています。
TDIはダイビング教育ビジネスのプロフェショナルです。難しいことをわかりやすくステップアップで教えることをインストラクターは学んでいます。科学者や作業ダイバーの中で経験が少なかったり新しい分野を学びたい方たちが、効率よく、必要なダイビングノウハウを学ぶのにも適しているからです。技術の逆輸入ともいえます。

またレクリエーショナルダイビングインストラクターのみなさんがテクニカルダイバーコースに参加することで、
いつもの教えている立場から、テクニカルダイビングを習う立場になることで教えるということに対して再認識させられます。
しかも自分が関わるダイビングに活かせるノウハウが学びきれないほど充実しています。
指導者として、技術者として磨かれることは間違いありません。

また、パブリックセーフティダイビング分野を学びたい方にはERDIという姉妹団体もあります。
※パブリックセーフティダイビングとは、簡単に言うと捜索と回収ダイビングです。
 遺留品回収や遺体捜索などをより安全に確実に行う専門コースです。消防や海保、そして地元のボランティアダイバーなどが受講できます。



ダイビングのマーケットが大きくなります。


TDIでは『テクニカルダイビング』、そして姉妹団体のSDI(スキューバダイビングインターナショナル)では、一般的なレクリエーショナルダイビングの『スポーツダイビング』を取り扱っています。
SDIではPADI、SSI、NAUI、CMAS、BSAC、SNSIなどが提供している初級者からのダイビングコースを提供しています。



このイラストにあるように、スポーツダイビングは、ダイバーならご存じの安全ルールと制限があります。
器材や方法を限定し、簡潔にダイビングを楽しむためのコースです。つまりベーシックダイビングと言い換えてもいいと思います。



ベーシックなスポーツダイビングに対して、テクニカルダイビングは、今の時代では別の言葉を使うなら、本当の意味でのアドバンスドダイビングです。アドバンスドとは、上級というような意味があります。

これまでの制限された範囲のその先にいくことができるのですから、真のアドバンスドダイビングといってもよいのです。

これまでのレクリエーショナルダイビングの常識で考えると、テクニカルダイビングは非常識な世界に映るかもしれません。
もちろん、これまでのダイビングの範囲で考えると、リスクがより高くなります。

安全確保とは、どれだけリスクを取り除けた状態にしているかということです。
テクニカルダイビングでは、リスクマネジメントで、リスクの高い環境下でより安全な状態を作ることを学びます。
登山でもドライブでもスポーツダイビングでもそしてテクニカルダイビングでも
安全のために考えられた範囲からはみ出さないことでリスクを減らし安全な状態を確保します。

テクニカルダイビングのリスクがとても高いことは事実ですが、テクニカルダイバーとして確立しているのであれば、
リスクマネージメントを学ぶことにより安全確保して楽しむことができるようになります。


テクニカルダイビングにより上級ダイビングの領域が拡張し、もっと幅広いダイバーのニーズに応えられるようになります。

今のダイビングカリキュラムは、ダイバーのニーズに対して不足しているとも言えます。
高みを目指すダイバーがレスキューダイバーまで取得すると、その先はプロコースしかありません。
ダイバーを海に連れていくことも、ダイビングを教えることも、より上級と考えることもできますが、
本来、上級者コースというのは、より範囲が広がることを指すものではないでしょうか?
つまり本当のアドバンスドダイビングの世界のひとつがテクニカルダイビングなのです。

ダイブセンターであれば、顧客がさらに先のテクニカルダイビングコースに参加することで、ダイビングのリピーターを増やすこともできます。インストラクターには新しい仕事が生まれ、ダイバーたちにはさらなるワクワクできるダイビング世界をご提案することができます。

すべてのダイバーが、テクニカルダイビングの領域まで求めているわけではありません。しかしダイビングの夢を提案するプロフェショナルなら、より探検的なアドベンチャーなダイビングを求めている人たちのニーズに応えてあげるべきです。

もちろんすべてのインストラクターがテクニカルダイビングを提供できるようになる必要はありません。
テクニカルダイビングインストラクターになるまでの道のりは簡単ではないですし、自分自身がその分野のダイビングが好きでないと続けられません。そのうえでインストラクターのみなさんには、テクニカルダイビングを肯定してほしいと思っています。テクニカルダイビングはいまも進化するダイビング分野です。テクニカルを肯定することで潜在的なダイビングのマーケットが間違いなく広がります。


メキシコ セノーテ ハロクライン(海水と淡水の境目)


ダイビングを始める人たちには、様々な願望があります。ダイビングをはじめようと思ったときに、それが洞窟ダイビングやディープダイビングの映像をテレビやYOUTUBEで観て、ワクワクした方に、インストラクターが『そんなダイビングは危険です。』と伝えたのなら、その人はダイビングに対する夢が打ち砕かれたことになります。
テクニカルダイビングをやらないインストラクターがテクニカルダイビングを否定したくなる気持ちもわからなくはないです。
人は未知のものには不安を感じるものだと思うからです。

例えば、テクニカルダイビングを提供しないダイブセンターであっても、顧客の願望がテクニカルダイビングと明確化されているのなら、それを応援してあげてください。テクニカルダイビングコースをどこかで受講するまでに、そのダイブセンターが提供するコースやツアーに参加してもらうことができます。夢を砕いたら、提供できたはずのコースもなくなるか、もしくは願望が叶えられないとわかったときにダイビングに見切りをつけ失望するかです。

私の仲間のテクニカルインストラクターは、テクニカルダイビングを提供しない、もしくはまだ提供できないダイブセンターと提携して、アウトソーシングでその顧客たちにテクニカルダイビングを提供できるようにしています。ご希望があれば、全国の信頼できるTDIメンバーをご紹介します。



より安全なダイビングが提供できます。


例えば、プロフェショナルが制限されている水深の40mまでダイバーをお連れする場合に、
同じ範囲までのトレーニングしか経験していないインストラクターよりもその先のコースを皆んでいるインストラクターのほうが、より安全といえる部分もあるのではないでしょうか?
未知の領域を知ることで、制限された範囲の意味もより理解できるでしょう。
ただし、大きな注意点があります。トレーニングとは安全が確保された中で行うべきです。インストラクターだからといって未知の領域に、単独で潜ることはリスク大です。昔テクニカルダイビングがない時代なら、インストラクターが根性試しで、制限範囲をこえたり、どんな世界か自己流で試したりもしていたと思います。そんなリスクを今の時代に冒す必要はありません。
TDIテクニカルインストラクターの見守る中、安全を確保した状態で、未知の領域に訪れるべきです。

私が15年前フロリダにケーブダイバー資格を取りに行ったときにケーブダイバーから聞いたのが、
『オーシャンのダイビングインストラクターが一番ケーブダイビングで事故を起こしているんだぜ』
インストラクターだからといって未知の領域を無知な状態で潜ることは安全確保されていない状態なのです。
安全ダイビングについて教育する側のインストラクターは、未知に対して謙虚であることが賢明なインストラクターの証であると思います。

ダイビングインストラクターには、テクニカルダイビングを習ってみてほしいです。
知らずに抱えているリスクを知ることができます。知らずにリスクを冒すより、リスクを知って潜るほうが、
安全マージンの取り方に大きな違いが生まれます。知るということはとても重要です。

正しい考え方をもつテクニカルインストラクターからリスクマネージメントのノウハウを学んで普段のダイビングをより安全に運営することに活かしてください。


ダイビングという仕事が改めて楽しくなります。


これまでたくさんのダイビングインストラクターにテクニカルダイビングを教えてきました。
共通していえることは、みんなダイビングがますます楽しくなったということです。
十何年ダイビングインストラクターをしてきて、その先の世界を知る機会がない中、テクニカルダイビングを経験して、
ダイビングの奥深さ、すばらしさを改めて実感してもらっています。
昨年に印象的だったのが、センスのいいインストラクターの方が、『久しぶりにダイバーがカッコいいものだと思いました』
スポーツインストラクターなら、その分野の高みを目指すアスリートでもあると思います。
ダイビングのインストラクターとして、レッスンプロであることが役割ですが、アスリートとしての一面も磨き続けることも大切ではないでしょうか?
テクニカルダイビングを仕事にしなくてもテクニカルダイビングを試しておくことで、普段のダイビングの仕事に様々な価値を与えてくれます。

テクニカルダイビングは簡単ではないですし、奥が深い。何年関わってもまだまだ先があります。
そんなダイビングに触れていることでインストラクターとして活性化されますし、
なにより新しいことに挑戦することが楽しくて仕方ありません。

昔、ダイビングを始めたとき、プロコースに入ったとき、ワクワク、ドキドキ楽しかったと思います。
同じくテクニカルの世界では、誰もが初心に帰ることができます。

またテクニカルダイビングを学びにくるダイビングインストラクターのみなさんの魅力が素晴らしく、その方たちとともに学ぶことができるのも価値ある時間になります。


セノーテでケーブダイビングをトレーニング中のインストラクターのみなさん


お話は以上です。

ダイビングを安全に楽しく広げダイバーさんたちの夢を叶えていきましょう。



こんにちは。今回のブログではevisも加盟するダイビング指導団体SDIについて数回に分けてお話したいと思います。

TDI(テクニカルダイビングインターナショナル)の姉妹団体です。

もともと遊び(レクリエーション)のスキューバダイビングは、軍隊的な限られた人しか行えない遊びでした。50年ほど前から、誰でもある程度の適性があれば簡単に安全に楽しめるように、現在のダイビングスタイルに形が整っていきました。これによりスキューバダイビングで世界中で多くの人が水中世界を楽しむことができるようになりました。

これは素晴らしい功績ですが、簡単に安全に潜るために、ダイビングの範囲をせまく制限することで達成できたともいえます。小難しいことはパンドラの箱の中に閉じ込めてしまったのです。

しかし、趣味のダイバーたちの水中世界への探求心がやむことはありません。アメリカでもヨーロッパでも既存の範囲を超えることによってダイビング事故が起こることが現在も続いています。
特にアメリカは自由の国ですから、自己責任で無謀なダイビングを行い多くの方が命を落としました。
そして現在の日本でのダイビング事故の多くも実は制限範囲を超えることによって起きています。このことは日本のダイバーさんたちに気づいてほしい事実です。

いまから30年ほど前から、テクニカルダイビングという分野が生まれ、ダイバーの好奇心の先の世界を安全に潜れるようにテクニカルダイビングの指導団体が生まれました。そしてTDIも1990年代に発足しました。テクニカルダイビングはレクリエーショナルダイビングです。つまり遊びのダイビングです。しかし大深度潜水や洞窟潜水を行うために、軍事ダイビング、科学ダイビングなどのプロフェショナルのノウハウからより遊びのダイビングに特化させて洗練されてきたものです。今も現在進行形で進化しつづけるのがテクニカルダイビングです。

世界最大のテクニカルダイビング指導団体であるTDIから派生して生まれたのがSDIです。

なぜSDIが生まれたのか?

TDIでテクニカルダイビングを始めたインストラクターたちは、通常のダイビング指導法に対して矛盾を感じるようになりました。それは当然の成り行きです。
なぜなら、それまでのレクリエーショナルダイビングは、よくシステムを簡素化し簡単に誰でも学べるように作り上げています。つまり範囲をせまくして、様々なダイビングに関わる情報を制限してきた分野だったからです。その分野がスタートした時の枝葉であって、技術革新していくダイビングの幹を知ることはなかったからです。

そこでTDIインストラクターたちが求めたのは、ダイビングの入門コースの伝統化されてきたレクリエーショナルの無駄な部分を省き、より理論化し矛盾なくし、さらに器材の進化に伴い、洗練させたスポーツダイビング指導団体でした。

テクニカルダイビングの分野が新しいレクリエーショナルダイビングの範囲拡張されたものだとすると、それが現代におけるアドバンスドダイビングの分野といえます。
そのアドバンスドな分野を踏まえ刷新されたベーシックなダイビング指導団体がSDIなのです。

このような経緯で生まれた指導団体ですから、ここではじめたダイバーたちに、ここでしか知ることのできない情報やこれから楽しむダイビングの可能性の広さに大きな恩恵が受けられます。大げさではなく、遊びのダイビングの世界を何十倍にも拡張してくれる受け皿があります。それはあたりまえの遊びのダイビングに革新的なダイビング技術や知識開発をもたらすメリットは大きく、その先にはよりアドベンチャーな探検的なダイビングの楽しみ方やハイレベルな捜索活動や水中考古学ダイビングなど、より安全で拡張された趣味として、そして各分野のプロフェッショナルたちにもダイビングの可能性を広げてくれます。

SDIは日本では2016年にスタートした指導団体ですが、世界的には、まだ20数年の指導団体であるにも関わらず世界でトップ3に入る規模の指導団体に急成長しています。これは求められて得られた実績であると思います。日本国内でも質の高いダイビングインストラクションを顧客に提供したい意欲のあるインストラクターがクロスオーバーを始めています。現場に関わる立場として日本のダイビングの未来のひとつがここにあると信じてやみません。


次回は、SDIのダイビング哲学やこれまで変革してきたことなどについて書いていきたいと思います。


こんにちは。たくさんの方にダイビングを楽しんでほしいと願っているSDI TDIインストラクタートレーナーの加藤大典です。
多くの人に楽しんでほしいと願っていますが、リスクを知らず知らず抱えて潜っている人たちに少しでも安全ダイビングとはなにかお伝えしていきたいと思っています。

ベテランシニアダイバーさん、そしてシニアダイバーと潜ったり施設を提供するプロフェッショナルの皆さんに読んでおいてほしいブログです。


バブル期にヤングなダイバーとして活躍したみなさんも今はいいおじさん。
ずっとダイビング続けている人や生活が落ち着いて再開したおじさんもいると思います。
若いころガンガン潜っていた方は、年をとってもダイビングに対して絶対的な自信をお持ちだと思います。

ちなみにおじさんダイバーとはシニアダイバーと置き換えていいのですが、
年齢でいいますと45歳以上は、おじさんダイバーにカテゴリされます。
私も気が付けばまもなく47歳なので、シニアダイバーに分類されます。
よってダイビングに関しては謙虚でありたいと思っています。

まず、ダイバーとしてなにも問題がないと思っている方は、
いまいちど、問題がないか、自身を再評価してみてほしいです。

例えば、
飲み食いが大好きで肥満体の運動不足気味で高血圧の元気すぎるおじさんだとします。
とても暑がりで水温高ければ、ウエットスーツなしで潜るのが大好きです。
ある日、ダイビング前日に盛り上がって明け方まで深酒。寝不足と脱水症状です。
そして夏のダイビングだからもちろんラッシュガードと水着で潜ります。
潜ってみると冷水塊にあたり、体がかなり冷え、足もつりました。

このような状態で潜ることはたくさんのリスクを背負ってダイビングしていることになりますが、
さらなるリスクについて見逃せません。

それは、『浸水性肺水腫』という病気のリスクです。

浸水性肺水腫は、ダイビング中に急に肺の中に体液がたまる病気で、とくにディープダイビングで起こりますが、水泳で発症することもあるそうです。浸水性肺水腫は減圧症や肺の破裂によって起こるのではなく、低体温症や高血圧が大きく影響します。
胸腔の圧力変化によって肺が膨らみにくくなることで息苦しくなり激しい呼吸をします。息切れしダイバーはひとりで急浮上することもあります。

軽症なら治療で完治できますが、症状に見舞われ苦しさのあまり急浮上することで、さらなるリスクが重なり、大事故につながることもあり得ます。


やはりダイビングのリスクを軽減するには、

●体調管理をしっかり行う。日ごろから食事に気を配り、運動を行い健康体でいることです。明け方まで深酒してダイビングなんてもってのほかです。ダイビング用の病歴書を記入しダイビング禁忌リストにチェックが入るようなら、専門医に相談しダイビングを行うか決断しなくてはいけません。

●また寒さを我慢して潜るようなことも控えたほうがいいです。その水温に合った保温スーツを着用しましょう。

●このような予期せぬトラブル時にレスキューしてもらえる環境で潜りましょう。単独潜水など要注意です。

安全第一にダイビングを楽しみましょう。


ダイビング中のエア切れについてきちんと考えていますか?



本来、呼吸ができない環境である水中で、
ダイバーは呼吸装置をつけて、生命維持ができているわけです。
器材に依存できるスキューバダイビングは比較的簡単に安全に始められ、
ダイバーになるとレギュレターから息が吸えることが当たり前になります。
では自分のレギュレターがいつでも100%吸えるものでしょうか?

結論からいいますと事故になるようなトラブルはめったに起りません。
しかしもしもの時にきちんと対応できる能力を身につけておかないと、
あとで後悔する日が来るかもしれません。

こんなこと話すとやっぱダイビング怖い~とひいてしまう方もいるかもしれませんが、
決して難しいことではありません。まずはこのブログを読んで、ダイバーの方は自己分析してみてくださいね。
またこれからダイビングを始める人は、講習費が安いとか日数が短いとか安易に考えず、
ここに書いてあるようなことをきちんと教えてくれるダイビングスクールに通いましょう。

では、もしもの時に助かれるように準備をしていきましょう。
今日は大切な3つのポイントをお伝えします。


ルール1   残圧をモニターすべし。


そもそもダイバーが自分の残圧を確認し少なくなる前に浮上する行動をとるのなら、
誰かにエアーを分けてもらう可能性はぐっと少なくなります。

では、自分自身が残圧確認ができているのか思い出してみてください。
まずは、一回のダイビングで何回くらいチェックしてるのか?
5分ごと? 10分ごと? 20分ごと? ダイビング2/3経過したとき? ガイドに言われたときだけ?
あなたはどのくらい確認していますか?

いろいろな確認方法があると思いますが、
最も理想的なのは、
ゲージを見ずに残圧を予想しゲージを見た時に一致しているのなら、
かなり残圧を把握して潜っているというレベルにあると思います。
このレベルが理想です。常に空気量を把握しているわけだから安心ですよね。
これは日々チェックする習慣で養うことができますよ。
残圧を見る前に予測してみてください。お勧めのトレーニングです。

まずは、自分の残圧を把握すること。


ルール2  不測の事態に備えるべし

ダイバーと器材は一体となって海の中を楽しみます。
ではその一体となっているダイビング器材は全く壊れないものでしょうか?

答えは、もしかすると壊れるかもしれない。ということ。
つまり器材が壊れて、呼吸ができなくなることは想定外ではなく、
可能性としてあり得るということを理解しなくてはなりません。

まずは下記のデータがとても興味深いです。
アメリカのダイビング雑誌『アドバンスドダイバーマガジン』では下記のようなテストを行いました。
各器材の破損などによりシリンダーのガスがどれだけの時間でなくなるのかデータ取りされました。
例えば、200barの空気ガスが入っている11リットルのシリンダーですと、
・レギュレターのセカンドステージがフリーフローした場合、水面で255秒でシリンダーの空気はゼロになります。
 これが水深30mになると155秒でゼロになります。さらに水深70mでは91秒でゼロになります。
・レギュレターの中圧ホースが破れたりすると、どの水深であろうと83秒でゼロになります。
・シリンダーの安全栓が破裂すると、どの水深であろうと72秒でゼロになります。
・レギュレターの高圧ホース(残圧計のホース)が破れた場合は、意外と思われる方も多いと思いますが、
 どの水深でも22分でやっとゼロになります。

このデータから考えなくてはいけないのは、
エア漏れが起きてもすぐにはゼロにはならないので慌てる必要はありませんが、数分でゼロになるということです。
この間にバディやインストラクターからエアシェアしてもらえる位置関係にあるのかが大切です。

まずはダイバーができることは、
定期的な器材のオーバーホールやメンテナンスを行うこと。
メンテナンスをきちんとすることで器材トラブルのリスクは減ります。
ただまれにメンテナンスした直後に海で使用したらトラブったこともありますので、
私はメンテナンスしたあとは念のため、浅いダイビングでチェックしてから本番のダイビングで使用するようにしています。

しかし器材の故障や破損の可能性が少なくなったとしても、
例えば、流れの早い海の中で何かにつかまって待機している時や、
水中スクーターでダイビングしている時は、
オルタネイトエアソース(オクトパスレギュレーター)から水流がパージボタンにあたり、
フローさせてしまうこともあります。
つまり夢中になって遊んでいる間にガスがフローして10分くらいでゼロになることあります。
水流のあたるようなダイビングではこのようなことも気を付けなければいけません。


ルール3  いつでもエアーがもらえるように いつでもエアーがあげられるようにするべし!


エア切れになったときに対応できますか?

例えば、
あなたのエアーがなくなったときに、あなたのバディはすぐにエアーを分けてくれると思いますか?
もしも不安があるのなら、潜る前にバディと確認が必要です。

指導団体SDI TDIでは、ダイビング前にSドリルを行いましょうと教えています。
Sドリルとは何か?
Sドリルの重要性から普段のダイビングを見直していきましょう。


ソロダイビングについてブログをいくつか書きましたが、
単独潜水(ソロダイビング)は危険なのか? パート1
単独潜水(ソロダイビング)は危険なのか? パート2
西伊豆 獅子浜 SDIソロダイバー&インストラクターコース



続きを読む


TDIエクステンディッドレンジダイバーコースって必要性があるのか?
と熟練のテクニカルインストラクターから問われることがあります。

その理由は、
空気で40m以深に潜ることは、窒素ナルコシス(酔い)のリスクが大きくなるので安全だと思わない。
よって、TDI減圧手順ダイバーからダイレクトにTDIトライミックスコースへいくべきではないか?
と話されます。それも正解ですしTDIスタンダード上問題にもなりません。
また高圧則について懸念される方もおりますが、それあたりはブログで
『テクニカルインストラクターと高気圧作業安全衛生規則について』
に書いておりますのでご参考にしてください。

それではなぜ私はTDIエクステンディッドレンジダイバーコースを
積極的に行っているのかについてお話ししたいと思います。

まずコースの内容ですが、
・TDIはエクステンディッドとトライミックスが、ひとつのマニュアルになっています。
・やるべきスキルがよく似ています。
よって私のコースでは2つのコースをコンボか継続して開催することが多いです。


たしかにヘリウムが入手でき、100%トライミックスが製造できる環境があり、常に使用できるのであればエクステンディッドレンジの出番はありません。
しかしどこでもトライミックスを用意してもらえるわけではありません。またコストの問題もあります。
例えば、ビキニ環礁の沈船群は水深が50mクラス 長いクルーズですべてトライミックスを使用するとコスト的な問題をクリアしなくてはなりません。
また私は海外の探検の時に二度、充填機械が壊れて、トライミックスが当日作れないと言われたことがあります。
ひとつは浅い水深に計画変更すればいいですが、
私は深い沈船の探検目的で、エクステンディッドのスキルがあったので、空気潜水で目的達成できました。
トライミックスが使えない場合の為にもエクステンディッドレンジトレーニングをしておく価値はあると考えています。

たしかに深場の空気潜水は窒素のリスクが懸念されます。
僕も窒素にすごく強いわけではありませんが、
酔いにくくするための方法を理解しているので、それを講習生に教えています。
いまのところ、講習生たちはトレーニング中にひどい窒素ナルコシスにはなっていません。
理想的な呼吸法とスキルやマインドまで整えることで、空気でのガス中毒の影響を軽減できます。


基礎がしっかり整うということは
エクステンディッドレンジダイバーは、テクニカルダイバーとしての成長につながると考えています。

また普段、空気のディープダイビングを行わない方も、
インストラクターが同行するエクステンディッドレンジダイバーコースの中で、
つまり安全が確保されている環境下で、空気の深場のキャリアを積んでおくことも経験の幅が広がると考えています。


またダイビングのトレーニングは時間とコストを考えるとミニマムを目指すと思いますが、
効果的にテクニカルダイバーを成長させると考えると必ずしもミニマムの基準クリアするだけの講習が優秀とは限りません。
たくさんの教育や経験の機会を作ることで、より良いダイバーを育てる時間を持つことができることも大きな理由です。
山形県のアーバンスポーツの相星さんのSDITDIにクロスオーバーを担当したのですが、その時に逆に多くの事を学ばせてもらいました。
『なにかのコースをやるときに、そのコース内容だけではなく、その受講生が不足することころ、理解していないところを補い強化することもインストラクターの役割なんだ。』
そのとおりだと再認識できました。

どのダイビングコースも無駄ではないと考えています。
そのコースにたくさんの価値を見いだしているインストラクターから多くのことを学んでみてください。

TDIエクステンディッドレンジダイバーコース