代表の加藤大典です。
私の長男が8歳になりました。SDIでは、4歳からスノーケラーコース、8歳からダイバーコースがあります。ダイバーコースと言っても小児向けの体験ダイビングコースのようなコースで『SDIフューチャーバディプログラム』といいます。長男に体験させたい!

また私の父もダイバーです。首を痛めて、泳ぐ姿勢がつらくなったので本格的なダイビングは行わなくなりましたが、まだまだ元気に潜れます。

数年前に思いついた夢は、81歳、47歳、8歳の三世代ダイビング!!


私はダイバーですから、息子と一緒に潜りたいと思うわけです。
しかし、嫌々やらせたくない。。

長男が1歳のころには、こんなかんじで遊んでいました。
かなり平気だったのですが、、
2歳になり少しずつおしゃべりもできるようになると、水際の足のつくところは大好きですが、足のつかないプールは拒絶するようになりました(笑)


長男1歳 私40歳


長男4歳

ジイジ79歳 次男2歳 長男6歳

スノーケリングでジンベイザメにも会いました。

長男7歳


そこからは慎重な息子にすこしずつ機会を作ってスノーケリングやスキンダイビングを教え、スキューバで呼吸させたり、少しずつならしていきました。

そして8歳になり、『フューチャーバディコース』に挑戦です。


まずは、7月にやってみたいか聞いてみました。「うん、やる!!」 あっさり乗り気な息子!!  純粋に嬉しい!!

『フューチャーバディコース』の目的は、安全な環境かつインストラクターの直接的な監督下で8~12 歳の子供たちにスクーバダイビングを紹介する事です。制限としては、最大水深は6mまでの限定水域で行うことです。限定水域とは波などの影響のすくない水域のことをいいます。

まずは初日はプールでトレーニングです。紙芝居ようなスレートでダイビングの基礎知識を教えます。
前日には、ダイビングで大事な二つのルールを予習しました。①息はとめないこと。②あわてずゆっくり浮上すること。覚えるように伝えました。
当日聞いてみると、①息する。 ②あわてない。ずいぶんまとめられてしまったので、もう一度伝えなおします。





水中で行うトレーニングは、
1. 適切なウエイト調整
2. 潜水前のセルフチェックとバディチェック
3. マスククリア(一部浸水、完全浸水)
4. BCD の使用方法
5. 浮力コントロール
a) 潜降速度と浮上速度のコントロール
6. レギュレーターの使用方法
7. 適切なフィンキックによる水中移動
8. 残圧計の使用方法
9. 水中でのコミュニケーション方法

一通り練習し、はしごにつかまり耳抜きも教えます。プールでは3mまで潜ることができました。
所要時間は4時間弱でした。
evisには4.3リットルのミニシリンダーがあるので、8歳くらいの小さな子供でも背負って歩けます。

二日目は、海へ!!


次男4歳 箱眼鏡大好き


みんな同じ顔(笑)



父の希望で本当は沖縄に行きたかったのですが、高齢者をつれていくのは今はリスクとなるため、車で行ける場所を選びました。

行先は、北陸の敦賀です。名古屋から車で2時間。
私が29年前、オープンウォーターを取得し、ダイブマスターまでのトレーニングのほとんどを行った思い出の場所です。

最初は砂遊びや水遊び。海に慣れてきたところで、いよいよスキューバダイビングです。




改めて、この海の楽しみ方を伝え、注意点も伝えます。

私「この海にはタツノオトシゴやタコなどいろんな生き物がいるぞ!!  だけどオニオコゼとか危険な生き物もいるから注意が必要だぞ!!」 長男「・・・・」

完全にオニオコゼという言葉にビビっています。私「大丈夫、いたずらしたり踏みつけたりしなければ怒らないから~ちゃんとお父さんもみておくから!!」 しかしどんな言葉も届かず完全に身構えています。。

私「親指を立てたハンドシグナルは、浮上したい、終了したいというサインだよ。何かあったら、このサインだ!」

安全確認して三人で潜降開始します。父と長男にOKサインをだすと、父からはOKサイン 長男からは浮上サイン。
水面にて、私「どうした?こわいか?」 長男「うん。」私「大丈夫! プールでできただろ。」長男 無言で潜降サイン。

オニオコゼが気になって、慎重に潜る長男。
私: ほら、アミメハギだぞ。長男:OK  
私:; ほら、タツノオトシゴだぞ。長男: OK  父: OK
私: ほら、タコだぞ。墨を吐くタコ。 長男:めちゃビビって飛び上がる。(もちろん手が届くところにいるので、浮き上がらないようにサポート)

水深4m 三世代でのダイビングはなんとか終了。

ダイビング終了後、私:「どうだった?」 長男:「すげーな。タコ!! 日記に一番の思い出って書こっと」

余裕のダイビングとはなりませんでしたが、とても感動してくれました。これからすこしずつ、立派なダイバーになってほしいと思う父でした。

次の目標は、4年後、父85歳 私51歳 妻●●歳 長男12歳 次男8歳で潜ることです。あくまで目標です。みんなで潜れたらいいな。





evisでも8歳以上である程度、水泳のできるお子様に『SDIフューチャーバディプログラム』を開催しています。
親子で参加もできますよ。
プールだけのコースも開催できるので、コロナで外出できないこの夏休みにこんな体験はいかがでしょう?



スキューバダイビングインストラクターは、スキューバダイビングの楽しさや安全を司るキーパーソンであります。
ダイビングインストラクターには、様々な能力が必要とされます。
このブログでは、その中でも、『安全を伝え管理するエデュケーター』としての能力開発についてお伝えしたいと思います。


『安全を伝え管理するエデュケーター』として大切なことは何か?


まず一番は、インストラクター候補生がインストラクターになった後に応用力を活かすことができるようになるための指導していくということです。
IDC(インストラクター開発コース)では、インストラクションを行う必要最低限のことしか伝えられません。
もちろん伝え方についてとても頭使って組み立てますし、インウォーターでも安全管理するためにずいぶん頭を使います。
それでもこのコースでは、マニュアル主義的な方法で、安全にダイビング運営ができるように、効率よくトレーニングを進めていきます。これは指導団体の定めるスタンダードを理解し理念を見通しクオリティを保つためにとても大切です。
一週間ほどのIDCの中で最もシンプルで安全な方法を考えて覚えて、現場で確実にコースができるようにトレーニングしていきます。
しかしこれだけでは完成とはいえません。
ニューインストラクターの皆さんは現場経験を積みながら、応用力を養っていくことが重要です。
応用力を最大限引き出すためには、IDCやIEC(SDI TDIでは、最終試験コースのことは、インストラクターエバリュエーションコースの略でIECと呼ぶ)の中でのコースディレクターやインストラクタートレーナー(SDIではコースディレクターの上位ランク)が候補生たちに、使用するマニュアルやスタンダードの意味を考えさせることがとても重要です。例えば、「なぜマスククリアはこの方法で行うのですか?」とか「なぜオクトパスは右出しなのですか?」など質問されたインストラクターが、「私のインストラクターからそうやって習ったから。」とか『それがルールですから』いう回答しかできないなら、それは思考停止しているともいえます。
インストラクター候補生や講習生たちからの様々な疑問に『なぜなら~』という回答ができることが理想です。

インストラクターを教えるコースディレクターやトレーナーが、指導団体が決めたカリキュラムをマニュアル主義でコースを開催するだけなら、コースディレクターはそれほど能力を発揮しなくてもマニュアルに従ってコースを進行することができます。
しかし思考停止していることを気づかせていくためには、インストラクター候補生をよく観察して、思考停止しているウイークポイントを常に刺激してあげる必要があります。


『思考停止しない』インストラクターであることが大事な理由


ダイビングインストラクターがマニュアル主義で完結することがなぜリスクなのか?
指導団体のマニュアルや優秀なインストラクターが考えたカリキュラムを使用するインストラクターがそのロジックをあまり考えないことにはリスクがあります。
たとえ、誰かが考えた秀逸なカリキュラムであったとしても(とくに同じスクールで複数のインストラクターのチームで指導するときには共通のカリキュラムは必須)なぜこのような組み立てなのかそのロジックの考えを巡らせ、自分が運用するときには、なにか落とし穴はないのか考えることはとても重要です。
マニュアル主義であってもそうそうアクシデントにつながることは少ないです。しかし、アクシデントは想定外のところでも起こるものです。アクシデントが起きたときに、「想定外でした。」では済まされません。想定外まで想定できる思考をもつことが、ダイビングがもつ潜在的リスクを打ち消していく大きな力になります。
そして私たちインストラクターは、ダイバーに最も安全なダイビング論を伝えていく伝道師です。ダイビングに関わる全ての事柄を理論武装することは時間のかかることですが、インストラクターになったときをスタート地点として、そこから、ダイビングの「なぜ??」にお答えができるようにブラッシュアップを続けていくことがとても重要です。


インストラクターアップデートの重要性


インストラクターが思考停止せず応用力を養っていくためには、日々の実務経験をどう思考しているかで差がついていきます。
よく思考するニューインストラクターにとって、実務経験は『気づき』の連続です。
しかし実務経験や置かれている職場環境だけでは、『気づき』にも限界があります。
さらなる『気づき』の可能性を引き出してくれるのが、アップデートトレーニングです。
もちろんダイビング以外の学びの場でも様々な『気づき』は得られますが、まずはここではダイビングのことだけにフォーカスしますと、トレーナーから習うスペシャルティインストラクターコースであったり、指導団体やリーダー的なトレーナーが主催するアップデートトレーニングであったり、テクニカルダイビングやフリーダイビングなど自分が経験していない分野のダイビングコースに参加することでも大きな『気づき』の機会を与えられます。
ダイビングインストラクターは日々、講習生に対してアウトプットをしています。人に教える立場の教育者には、アウトプットと同時にインプットの機会を多く作ることが、よりよいインストラクションの礎となります。



インストラクターの適性とは? インストラクタートレーナーのあるべき姿とは?


インストラクターには多岐にわたる様々な能力が必要とされますが、それぞれ得手不得手はあると思います。
体力、精神力、脳力、技術力そして様々なアウェアネスなどいろいろ。
では能力の低い人、劣っている人が事故を起こすのかというと意外とそうではないのです。

最も大切なのは、自分の能力を的確に把握しているかどうかです。
どんなに能力が高くても、自分を過大評価していたり、安全面で自分の持てる能力のぎりぎりでダイビングを計画しているインストラクターは、なにかがひとつ欠けたときに、アクシデントに対応できなくなります。やはり自分の能力開発はできるかぎり自身のトレーニングで行うもので、インストラクションの時には、能力の7割くらいの力で運営し、余裕をもたせること。これが安全に対するバックアップになります。

インストラクターとして適性のない人とは、自分を過大評価していたり、安全について周囲からアドバイスされているのに、『聞く耳を持たない人』です。必要なのはオープンマインドであることです。
もちろん指摘されるアドバイスの中には間違っているものもあるかもしれません。しかし思い込みで、他の意見に対して考えることなく、我が道を行く人の中には、素晴らしい能力を兼ね備えているにも関わらず、残念な結果となってしまった結末をたくさん見てきました。
インストラクター候補生の中で、自分のことを客観的に見ることのできない、いわばセルフアウェアネスが欠けている方や思考停止して決めつけてしまうタイプの人は、どんなに能力が高くてもインストラクターとしての資質の欠如を疑わなくてはなりません。
またIDCやIECの中でたとえ、基準ぎりぎりであったとしても、思考力やセルフアウェアネスが備わっている方なら、自分の能力の範囲で、無理せず安全範囲を策定して堅実にダイバーコースを運営していくことが想像できます。

またコースディレクターやトレーナーとは、インストラクターを裁けるような偉い立場ではありません。
私がSDI TDIのトレーナーとなり気づかされたのは、あくまで、候補生の能力を観察し、正当に評価する能力が要求されるということです。
トレーナーとは公平に広い視野に立ち、インストラクター候補生と関わりあうことが重要です。
すべての分野の最低基準をクリアすることは必須ですが、大切なことは全体的な能力のバランスです。
たとえウィークポイントがあったとしても、それを補う別の能力を備えているのであれば、インストラクターとしての資質に問題ないと考えるべきです。
インストラクターからインストラクタートレーナーまで含め、教育的評価者とは、批評家や裁判官など裁くような立場ではありません。
候補生に内在する素晴らしい能力を肯定的に引き出し評価し伝えられる能力。その候補生が、より良くなるために愛あるアドバイスを伝えられる能力。インストラクターやインストラクタートレーナーなどダイビングの教育者にはこのような姿勢が大切なのです。



こんにちは。加藤大典です。
今回は、ダイブプロフェッショナルがTDIのテクニカルダイバーコースを受講すべき理由をお伝えしたいと思います。

4つのキーポイントでお話します。


  • 高度なダイビングを学べます。
  • ダイビングのマーケットが大きくなります。
  • より安全なダイビングが提供できます。
  • ダイビングという仕事が改めて楽しくなります。

それでは順にお話ししていきたいと思います。


高度なダイビングが学べます。



TDIではダイビングを『レクリエーショナルダイビング』『サイエンスダイビング』『コマーシャルダイビング』に分類しています。
遊びか、研究か、仕事かということです。

どの分野でも日々、技術革新が行われ、器材が進化することで、そのノウハウも進化しています。
技術もより長い年月の中でそれぞれのプロフェショナルが技を磨いて卓越してきています。



ほとんどの人が、テクニカルダイビングはテクニカルダイビングであり、レクリエーショナルダイビングではない。とカテゴリしていると思います。

しかし違います。レクリエーショナルとは遊びですから、
TDIが行うテクニカルダイビングは遊びのためのダイビングコースなのです。
テクニカルダイビングのカテゴリは、レクリエーショナルダイビングなのです。

しかし、TDIのテクニカルダイビングを学びに訪れる、研究者ダイバー、調査ダイバー、作業ダイバーはあとを絶ちません。
もともとTDIのテクニカルダイビングはあらゆる分野の専門的ダイビングのノウハウを集めて、学びやすいコースに落とし込んだダイビング教育カリキュラムです。探検、サイエンス、コマーシャル、ミリタリーなどのノウハウが融合されています。
TDIはダイビング教育ビジネスのプロフェショナルです。難しいことをわかりやすくステップアップで教えることをインストラクターは学んでいます。科学者や作業ダイバーの中で経験が少なかったり新しい分野を学びたい方たちが、効率よく、必要なダイビングノウハウを学ぶのにも適しているからです。技術の逆輸入ともいえます。

またレクリエーショナルダイビングインストラクターのみなさんがテクニカルダイバーコースに参加することで、
いつもの教えている立場から、テクニカルダイビングを習う立場になることで教えるということに対して再認識させられます。
しかも自分が関わるダイビングに活かせるノウハウが学びきれないほど充実しています。
指導者として、技術者として磨かれることは間違いありません。

また、パブリックセーフティダイビング分野を学びたい方にはERDIという姉妹団体もあります。
※パブリックセーフティダイビングとは、簡単に言うと捜索と回収ダイビングです。
 遺留品回収や遺体捜索などをより安全に確実に行う専門コースです。消防や海保、そして地元のボランティアダイバーなどが受講できます。



ダイビングのマーケットが大きくなります。


TDIでは『テクニカルダイビング』、そして姉妹団体のSDI(スキューバダイビングインターナショナル)では、一般的なレクリエーショナルダイビングの『スポーツダイビング』を取り扱っています。
SDIではPADI、SSI、NAUI、CMAS、BSAC、SNSIなどが提供している初級者からのダイビングコースを提供しています。



このイラストにあるように、スポーツダイビングは、ダイバーならご存じの安全ルールと制限があります。
器材や方法を限定し、簡潔にダイビングを楽しむためのコースです。つまりベーシックダイビングと言い換えてもいいと思います。



ベーシックなスポーツダイビングに対して、テクニカルダイビングは、今の時代では別の言葉を使うなら、本当の意味でのアドバンスドダイビングです。アドバンスドとは、上級というような意味があります。

これまでの制限された範囲のその先にいくことができるのですから、真のアドバンスドダイビングといってもよいのです。

これまでのレクリエーショナルダイビングの常識で考えると、テクニカルダイビングは非常識な世界に映るかもしれません。
もちろん、これまでのダイビングの範囲で考えると、リスクがより高くなります。

安全確保とは、どれだけリスクを取り除けた状態にしているかということです。
テクニカルダイビングでは、リスクマネジメントで、リスクの高い環境下でより安全な状態を作ることを学びます。
登山でもドライブでもスポーツダイビングでもそしてテクニカルダイビングでも
安全のために考えられた範囲からはみ出さないことでリスクを減らし安全な状態を確保します。

テクニカルダイビングのリスクがとても高いことは事実ですが、テクニカルダイバーとして確立しているのであれば、
リスクマネージメントを学ぶことにより安全確保して楽しむことができるようになります。


テクニカルダイビングにより上級ダイビングの領域が拡張し、もっと幅広いダイバーのニーズに応えられるようになります。

今のダイビングカリキュラムは、ダイバーのニーズに対して不足しているとも言えます。
高みを目指すダイバーがレスキューダイバーまで取得すると、その先はプロコースしかありません。
ダイバーを海に連れていくことも、ダイビングを教えることも、より上級と考えることもできますが、
本来、上級者コースというのは、より範囲が広がることを指すものではないでしょうか?
つまり本当のアドバンスドダイビングの世界のひとつがテクニカルダイビングなのです。

ダイブセンターであれば、顧客がさらに先のテクニカルダイビングコースに参加することで、ダイビングのリピーターを増やすこともできます。インストラクターには新しい仕事が生まれ、ダイバーたちにはさらなるワクワクできるダイビング世界をご提案することができます。

すべてのダイバーが、テクニカルダイビングの領域まで求めているわけではありません。しかしダイビングの夢を提案するプロフェショナルなら、より探検的なアドベンチャーなダイビングを求めている人たちのニーズに応えてあげるべきです。

もちろんすべてのインストラクターがテクニカルダイビングを提供できるようになる必要はありません。
テクニカルダイビングインストラクターになるまでの道のりは簡単ではないですし、自分自身がその分野のダイビングが好きでないと続けられません。そのうえでインストラクターのみなさんには、テクニカルダイビングを肯定してほしいと思っています。テクニカルダイビングはいまも進化するダイビング分野です。テクニカルを肯定することで潜在的なダイビングのマーケットが間違いなく広がります。


メキシコ セノーテ ハロクライン(海水と淡水の境目)


ダイビングを始める人たちには、様々な願望があります。ダイビングをはじめようと思ったときに、それが洞窟ダイビングやディープダイビングの映像をテレビやYOUTUBEで観て、ワクワクした方に、インストラクターが『そんなダイビングは危険です。』と伝えたのなら、その人はダイビングに対する夢が打ち砕かれたことになります。
テクニカルダイビングをやらないインストラクターがテクニカルダイビングを否定したくなる気持ちもわからなくはないです。
人は未知のものには不安を感じるものだと思うからです。

例えば、テクニカルダイビングを提供しないダイブセンターであっても、顧客の願望がテクニカルダイビングと明確化されているのなら、それを応援してあげてください。テクニカルダイビングコースをどこかで受講するまでに、そのダイブセンターが提供するコースやツアーに参加してもらうことができます。夢を砕いたら、提供できたはずのコースもなくなるか、もしくは願望が叶えられないとわかったときにダイビングに見切りをつけ失望するかです。

私の仲間のテクニカルインストラクターは、テクニカルダイビングを提供しない、もしくはまだ提供できないダイブセンターと提携して、アウトソーシングでその顧客たちにテクニカルダイビングを提供できるようにしています。ご希望があれば、全国の信頼できるTDIメンバーをご紹介します。



より安全なダイビングが提供できます。


例えば、プロフェショナルが制限されている水深の40mまでダイバーをお連れする場合に、
同じ範囲までのトレーニングしか経験していないインストラクターよりもその先のコースを皆んでいるインストラクターのほうが、より安全といえる部分もあるのではないでしょうか?
未知の領域を知ることで、制限された範囲の意味もより理解できるでしょう。
ただし、大きな注意点があります。トレーニングとは安全が確保された中で行うべきです。インストラクターだからといって未知の領域に、単独で潜ることはリスク大です。昔テクニカルダイビングがない時代なら、インストラクターが根性試しで、制限範囲をこえたり、どんな世界か自己流で試したりもしていたと思います。そんなリスクを今の時代に冒す必要はありません。
TDIテクニカルインストラクターの見守る中、安全を確保した状態で、未知の領域に訪れるべきです。

私が15年前フロリダにケーブダイバー資格を取りに行ったときにケーブダイバーから聞いたのが、
『オーシャンのダイビングインストラクターが一番ケーブダイビングで事故を起こしているんだぜ』
インストラクターだからといって未知の領域を無知な状態で潜ることは安全確保されていない状態なのです。
安全ダイビングについて教育する側のインストラクターは、未知に対して謙虚であることが賢明なインストラクターの証であると思います。

ダイビングインストラクターには、テクニカルダイビングを習ってみてほしいです。
知らずに抱えているリスクを知ることができます。知らずにリスクを冒すより、リスクを知って潜るほうが、
安全マージンの取り方に大きな違いが生まれます。知るということはとても重要です。

正しい考え方をもつテクニカルインストラクターからリスクマネージメントのノウハウを学んで普段のダイビングをより安全に運営することに活かしてください。


ダイビングという仕事が改めて楽しくなります。


これまでたくさんのダイビングインストラクターにテクニカルダイビングを教えてきました。
共通していえることは、みんなダイビングがますます楽しくなったということです。
十何年ダイビングインストラクターをしてきて、その先の世界を知る機会がない中、テクニカルダイビングを経験して、
ダイビングの奥深さ、すばらしさを改めて実感してもらっています。
昨年に印象的だったのが、センスのいいインストラクターの方が、『久しぶりにダイバーがカッコいいものだと思いました』
スポーツインストラクターなら、その分野の高みを目指すアスリートでもあると思います。
ダイビングのインストラクターとして、レッスンプロであることが役割ですが、アスリートとしての一面も磨き続けることも大切ではないでしょうか?
テクニカルダイビングを仕事にしなくてもテクニカルダイビングを試しておくことで、普段のダイビングの仕事に様々な価値を与えてくれます。

テクニカルダイビングは簡単ではないですし、奥が深い。何年関わってもまだまだ先があります。
そんなダイビングに触れていることでインストラクターとして活性化されますし、
なにより新しいことに挑戦することが楽しくて仕方ありません。

昔、ダイビングを始めたとき、プロコースに入ったとき、ワクワク、ドキドキ楽しかったと思います。
同じくテクニカルの世界では、誰もが初心に帰ることができます。

またテクニカルダイビングを学びにくるダイビングインストラクターのみなさんの魅力が素晴らしく、その方たちとともに学ぶことができるのも価値ある時間になります。


セノーテでケーブダイビングをトレーニング中のインストラクターのみなさん


お話は以上です。

ダイビングを安全に楽しく広げダイバーさんたちの夢を叶えていきましょう。



こんにちは。今回のブログではevisも加盟するダイビング指導団体SDIについて数回に分けてお話したいと思います。

TDI(テクニカルダイビングインターナショナル)の姉妹団体です。

もともと遊び(レクリエーション)のスキューバダイビングは、軍隊的な限られた人しか行えない遊びでした。50年ほど前から、誰でもある程度の適性があれば簡単に安全に楽しめるように、現在のダイビングスタイルに形が整っていきました。これによりスキューバダイビングで世界中で多くの人が水中世界を楽しむことができるようになりました。

これは素晴らしい功績ですが、簡単に安全に潜るために、ダイビングの範囲をせまく制限することで達成できたともいえます。小難しいことはパンドラの箱の中に閉じ込めてしまったのです。

しかし、趣味のダイバーたちの水中世界への探求心がやむことはありません。アメリカでもヨーロッパでも既存の範囲を超えることによってダイビング事故が起こることが現在も続いています。
特にアメリカは自由の国ですから、自己責任で無謀なダイビングを行い多くの方が命を落としました。
そして現在の日本でのダイビング事故の多くも実は制限範囲を超えることによって起きています。このことは日本のダイバーさんたちに気づいてほしい事実です。

いまから30年ほど前から、テクニカルダイビングという分野が生まれ、ダイバーの好奇心の先の世界を安全に潜れるようにテクニカルダイビングの指導団体が生まれました。そしてTDIも1990年代に発足しました。テクニカルダイビングはレクリエーショナルダイビングです。つまり遊びのダイビングです。しかし大深度潜水や洞窟潜水を行うために、軍事ダイビング、科学ダイビングなどのプロフェショナルのノウハウからより遊びのダイビングに特化させて洗練されてきたものです。今も現在進行形で進化しつづけるのがテクニカルダイビングです。

世界最大のテクニカルダイビング指導団体であるTDIから派生して生まれたのがSDIです。

なぜSDIが生まれたのか?

TDIでテクニカルダイビングを始めたインストラクターたちは、通常のダイビング指導法に対して矛盾を感じるようになりました。それは当然の成り行きです。
なぜなら、それまでのレクリエーショナルダイビングは、よくシステムを簡素化し簡単に誰でも学べるように作り上げています。つまり範囲をせまくして、様々なダイビングに関わる情報を制限してきた分野だったからです。その分野がスタートした時の枝葉であって、技術革新していくダイビングの幹を知ることはなかったからです。

そこでTDIインストラクターたちが求めたのは、ダイビングの入門コースの伝統化されてきたレクリエーショナルの無駄な部分を省き、より理論化し矛盾なくし、さらに器材の進化に伴い、洗練させたスポーツダイビング指導団体でした。

テクニカルダイビングの分野が新しいレクリエーショナルダイビングの範囲拡張されたものだとすると、それが現代におけるアドバンスドダイビングの分野といえます。
そのアドバンスドな分野を踏まえ刷新されたベーシックなダイビング指導団体がSDIなのです。

このような経緯で生まれた指導団体ですから、ここではじめたダイバーたちに、ここでしか知ることのできない情報やこれから楽しむダイビングの可能性の広さに大きな恩恵が受けられます。大げさではなく、遊びのダイビングの世界を何十倍にも拡張してくれる受け皿があります。それはあたりまえの遊びのダイビングに革新的なダイビング技術や知識開発をもたらすメリットは大きく、その先にはよりアドベンチャーな探検的なダイビングの楽しみ方やハイレベルな捜索活動や水中考古学ダイビングなど、より安全で拡張された趣味として、そして各分野のプロフェッショナルたちにもダイビングの可能性を広げてくれます。

SDIは日本では2016年にスタートした指導団体ですが、世界的には、まだ20数年の指導団体であるにも関わらず世界でトップ3に入る規模の指導団体に急成長しています。これは求められて得られた実績であると思います。日本国内でも質の高いダイビングインストラクションを顧客に提供したい意欲のあるインストラクターがクロスオーバーを始めています。現場に関わる立場として日本のダイビングの未来のひとつがここにあると信じてやみません。


次回は、SDIのダイビング哲学やこれまで変革してきたことなどについて書いていきたいと思います。


こんにちは。たくさんの方にダイビングを楽しんでほしいと願っているSDI TDIインストラクタートレーナーの加藤大典です。
多くの人に楽しんでほしいと願っていますが、リスクを知らず知らず抱えて潜っている人たちに少しでも安全ダイビングとはなにかお伝えしていきたいと思っています。

ベテランシニアダイバーさん、そしてシニアダイバーと潜ったり施設を提供するプロフェッショナルの皆さんに読んでおいてほしいブログです。


バブル期にヤングなダイバーとして活躍したみなさんも今はいいおじさん。
ずっとダイビング続けている人や生活が落ち着いて再開したおじさんもいると思います。
若いころガンガン潜っていた方は、年をとってもダイビングに対して絶対的な自信をお持ちだと思います。

ちなみにおじさんダイバーとはシニアダイバーと置き換えていいのですが、
年齢でいいますと45歳以上は、おじさんダイバーにカテゴリされます。
私も気が付けばまもなく47歳なので、シニアダイバーに分類されます。
よってダイビングに関しては謙虚でありたいと思っています。

まず、ダイバーとしてなにも問題がないと思っている方は、
いまいちど、問題がないか、自身を再評価してみてほしいです。

例えば、
飲み食いが大好きで肥満体の運動不足気味で高血圧の元気すぎるおじさんだとします。
とても暑がりで水温高ければ、ウエットスーツなしで潜るのが大好きです。
ある日、ダイビング前日に盛り上がって明け方まで深酒。寝不足と脱水症状です。
そして夏のダイビングだからもちろんラッシュガードと水着で潜ります。
潜ってみると冷水塊にあたり、体がかなり冷え、足もつりました。

このような状態で潜ることはたくさんのリスクを背負ってダイビングしていることになりますが、
さらなるリスクについて見逃せません。

それは、『浸水性肺水腫』という病気のリスクです。

浸水性肺水腫は、ダイビング中に急に肺の中に体液がたまる病気で、とくにディープダイビングで起こりますが、水泳で発症することもあるそうです。浸水性肺水腫は減圧症や肺の破裂によって起こるのではなく、低体温症や高血圧が大きく影響します。
胸腔の圧力変化によって肺が膨らみにくくなることで息苦しくなり激しい呼吸をします。息切れしダイバーはひとりで急浮上することもあります。

軽症なら治療で完治できますが、症状に見舞われ苦しさのあまり急浮上することで、さらなるリスクが重なり、大事故につながることもあり得ます。


やはりダイビングのリスクを軽減するには、

●体調管理をしっかり行う。日ごろから食事に気を配り、運動を行い健康体でいることです。明け方まで深酒してダイビングなんてもってのほかです。ダイビング用の病歴書を記入しダイビング禁忌リストにチェックが入るようなら、専門医に相談しダイビングを行うか決断しなくてはいけません。

●また寒さを我慢して潜るようなことも控えたほうがいいです。その水温に合った保温スーツを着用しましょう。

●このような予期せぬトラブル時にレスキューしてもらえる環境で潜りましょう。単独潜水など要注意です。

安全第一にダイビングを楽しみましょう。