TDIエクステンディッドレンジダイバーコースって必要性があるのか?
と熟練のテクニカルインストラクターから問われることがあります。

その理由は、
空気で40m以深に潜ることは、窒素ナルコシス(酔い)のリスクが大きくなるので安全だと思わない。
よって、TDI減圧手順ダイバーからダイレクトにTDIトライミックスコースへいくべきではないか?
と話されます。それも正解ですしTDIスタンダード上問題にもなりません。
また高圧則について懸念される方もおりますが、それあたりはブログで
『テクニカルインストラクターと高気圧作業安全衛生規則について』
に書いておりますのでご参考にしてください。

それではなぜ私はTDIエクステンディッドレンジダイバーコースを
積極的に行っているのかについてお話ししたいと思います。

まずコースの内容ですが、
・TDIはエクステンディッドとトライミックスが、ひとつのマニュアルになっています。
・やるべきスキルがよく似ています。
よって私のコースでは2つのコースをコンボか継続して開催することが多いです。


たしかにヘリウムが入手でき、100%トライミックスが製造できる環境があり、常に使用できるのであればエクステンディッドレンジの出番はありません。
しかしどこでもトライミックスを用意してもらえるわけではありません。またコストの問題もあります。
例えば、ビキニ環礁の沈船群は水深が50mクラス 長いクルーズですべてトライミックスを使用するとコスト的な問題をクリアしなくてはなりません。
また私は海外の探検の時に二度、充填機械が壊れて、トライミックスが当日作れないと言われたことがあります。
ひとつは浅い水深に計画変更すればいいですが、
私は深い沈船の探検目的で、エクステンディッドのスキルがあったので、空気潜水で目的達成できました。
トライミックスが使えない場合の為にもエクステンディッドレンジトレーニングをしておく価値はあると考えています。

たしかに深場の空気潜水は窒素のリスクが懸念されます。
僕も窒素にすごく強いわけではありませんが、
酔いにくくするための方法を理解しているので、それを講習生に教えています。
いまのところ、講習生たちはトレーニング中にひどい窒素ナルコシスにはなっていません。
理想的な呼吸法とスキルやマインドまで整えることで、空気でのガス中毒の影響を軽減できます。


基礎がしっかり整うということは
エクステンディッドレンジダイバーは、テクニカルダイバーとしての成長につながると考えています。

また普段、空気のディープダイビングを行わない方も、
インストラクターが同行するエクステンディッドレンジダイバーコースの中で、
つまり安全が確保されている環境下で、空気の深場のキャリアを積んでおくことも経験の幅が広がると考えています。


またダイビングのトレーニングは時間とコストを考えるとミニマムを目指すと思いますが、
効果的にテクニカルダイバーを成長させると考えると必ずしもミニマムの基準クリアするだけの講習が優秀とは限りません。
たくさんの教育や経験の機会を作ることで、より良いダイバーを育てる時間を持つことができることも大きな理由です。
山形県のアーバンスポーツの相星さんのSDITDIにクロスオーバーを担当したのですが、その時に逆に多くの事を学ばせてもらいました。
『なにかのコースをやるときに、そのコース内容だけではなく、その受講生が不足することころ、理解していないところを補い強化することもインストラクターの役割なんだ。』
そのとおりだと再認識できました。

どのダイビングコースも無駄ではないと考えています。
そのコースにたくさんの価値を見いだしているインストラクターから多くのことを学んでみてください。

TDIエクステンディッドレンジダイバーコース



テクニカルダイビングにおける高気圧作業安全衛生規則はどのように適用させるのか?

コマーシャルダイビング(作業潜水)の現場で、
高気圧作業安全衛生規則により、
簡単に説明すると水深40m以深に空気で潜ることはNGになりました。

さてこの規則がレジャーダイビングを扱う私たちにどのように影響があるのか?

JAUS理事、JAUS亜寒帯研究室 工藤和由さんにお聞きして、
テクニカルインストラクターの対応をまとめました。



まずTDIのオープンサーキットコースでは、
減圧手順ダイバーコースで、最大水深45m。
エクステンディッドレンジダイバーコースで最大水深55m。
トライミックスダイバーコースで最大水深60m。
アドバンスドトライミックスダイバーコースで、100m。
というトレーニング水深が設定されています。



まず、はしめに伝えることは、
トライミックスダイバーコースもアドバンスドトライミックスダイバーコースもヘリウムを使用し、
酸素も窒素も高気圧作業安全衛生規則の範囲内に収められるのでまったく問題がありません。

注意すべきは、
空気を使用し40mを超える可能性のある
減圧手順ダイバーコースやエクステンディッドレンジダイバーコースです。

まずこれらのコースは、減圧手順で30m、エクステンディッドレンジで最低でも40m潜らなくてはなりません。
つまりこの範囲であれば問題ありません。つまり国内でのコース開催自体は可能です。

次に考えたいのが、高気圧作業安全衛生規則は労働者の為のものですので、
ショップオーナーが自身の判断で報酬を得てオーナー自身が潜りコースを開催しているなら、
40m超えていても問題ありません。

ショップスタッフがテクニカルインストラクターの場合は注意が必要です。
スタッフとは労働者になります。つまり高気圧作業安全衛生規則が適用されます。
よって業務としてテクニカルを教えて報酬を得る場合は、
高気圧作業安全衛生規則の範囲にとどめ水深の範囲を考えなくてはいけません。

ただしスタッフが遊びで潜ったり、海外でコースを開催される場合は、
国内法が適用されませんので可能となります。
またテクニカルダイバーやインストラクタコースに参加される場合、
自身のトレーニングは報酬を得ているわけではありませんので、これも国内で行っても問題になりません。

またナイトロックスの活用方法ですが、
高気圧作業安全衛生規則は、PO2が1.6、PN2が4.0以内となっていますので、
例えば、ナイトロックス28を活用することで、水深45mまでの範囲がOKにもなります。

実際のテクニカルダイビング理論と高気圧作業安全衛生規則には若干の違いがありますが、
規則やスタンダードを守り安全にテクニカルダイビングを行いましょう。

協力: JAUS理事、JAUS亜寒帯研究室 工藤和由さん
参考記事: JAUS高気圧作業安全衛生規則の改訂について



展示会などに出展し、いままでお話しする機会のなかった方たちと話す機会も増えました。

そこで感じたのが、
まだまだテクニカルダイバーは誤解されている!!!!!!
ということです。

よって誤解を少しでも解くためにも、このブログでもお伝えしたいと思いました。



2016年から、SDI TDI ERDI JAPAN代表として、
日本のダイビングに変革をもたらしたいと活動しています。

まず、なぜ、変革をもたらしたいのか?
テクニカルダイビングで世界各地を潜り、
その世界観がとても素晴らしいからです。
自分が本当に素晴らしいと思うものがあるのなら、
それを伝えていくことは使命だと思うからです。

俺たちテックダイバーすごいんだぜ! 
と決して、押し付けるつもりもさらさらありません。


わー、いいなーこの環境♬と思ったことが何度もあります。

例えば、メキシコのセノーテは水中洞窟が有名なエリアですが、
とても明るくてセンスのいい白人の50~60歳のおばちゃんが、
二人で、楽しそうにエキジットしてきて、
一緒にいた日本人のテック女子に『そのピンクのヘルメット素敵ね~』
といいながら、車に戻っていきました。

他には、ミクロネシアのチュークでは、
オーストラリアの若者がダブルシリンダーで、
沈船ダイビングを軽い減圧ダイビングでわいわい楽しんでいました。

日本でもこのようなダイビングシーンを見てみたいなと思いました。

ガチのテクニカルダイビングも素晴らしいのですが、
このようなスポーツダイビングの域を超えていて、
すこし軽めのテクニカルダイビングを楽しむダイバーが
日本にも増えたらそれはとても素晴らしいことになると想像してワクワクしています。


関連記事
TDIの定義
https://www.sditdierdi.jp/tdi-blog/entry-248.html
https://www.sditdierdi.jp/tdi-blog/entry-262.html



テクニカルダイバーだからって威張ってんじゃねーよ(怒)

そのとおりです。偉くありません。その分野で卓越しているだけなのです。勘違いしてはいけません。

一流のテクニカルダイバーは自分に自信がありますから、
テクニカルダイビングのことで威張ることはありません。

よってテクニカルダイビングで威張る人は、テックダイバーとしても三流の人だと思ってください。
弱い犬ほどよく吠える。です。

まず第一にポイントになることは、
テクニカルダイビングインストラクターやトレーナーは、
『テクニカルダイバーが偉いわけではないのだよ』
と受講生に教えてあげることがとても大切だと思っています。

フォト派ダイバーさんでも同じことが言えますよね。
なんか一眼の100万くらいするセットを持っているだけで、
やたらと横柄で、偉そうにしている人も何度かお会いしました。
水中写真のいい師匠に出会えなかったのか、聞く耳がなかったのかどちらかだと思います。

偉いかどうかは、自分が決めることではなく、周りが決めることです。
勘違いしないように謙虚でありたいと思います。


レクリエーションのやつら分かってないよ。バカじゃねーの(怒)

テクニカルインストラクターやテクニカルダイバーの中には、
テクニカルダイバーではない人たちの器材や考え方やダイビングスキルを馬鹿にする人もいます。
たしかにテクニカルダイバーのセンスからするとダサく見えたり、スキルがめちゃくちゃだったり、
自分たちの世界観と違うことを非難するような人もいると思います。

違いは違いであって必ずしも間違いではないことをテクニカルをかじった人は理解すべきです。
日本で発展したダイビングスタイルには海外にはないすばらしさもたくさんあります。

僕も自分たちの世界観が好きなので、テクニカルを広めたいという思いはあります。
しかし、長く日本流のダイビングの価値観で潜っている人たちになかなか伝わるものではありません。
この時、『誰も分かってくれない。あいつら分かってね~んだよ』と思ってはいけない。

テクニカルダイバーが考えることは、『まだまだ自分の影響力が足りない』と思うことです。
負け犬のように吠えるのではなく、
伝わるようにさらにテクニカルダイバーとしての自分を磨くしかありません。



テクニカルってなんだよ。遊びの世界にガチなもの持ち込んでんじゃねーよ。危ない(怒)

テクニカルダイビングは遊びです。

テクニカルダイビングは、調査ダイバー、考古学ダイバー、作業ダイバー、軍事ダイバー、探検ダイバー(EXPLORER)など、これまでの卓越したダイバーのノウハウが凝縮されています。そんな結晶なのです。
私たちは、遊びのダイバーです。遊びで潜るテクニカルダイバーは、種類としては、レクリエーショナルダイバーです。つまりみなさんと同じ種類に分類されるのです。遊びの範囲なのです。

またテクニカルダイビングはノウハウが凝縮されていますから、新しい考古学ダイバーや探検ダイバーはテクニカルダイビングから学ぶことで、最先端にたどり着きやすくなります。

ダイビングの発展において、テクニカルダイビングの発展は間違いなく重要です。
テクニカルをやらない皆さんがお世話になっているダイブコンピュータも器材もナイトロックス(エンリッチ)も
すべてテクニカルダイビングに由来しています。
これからもテクニカルダイビングの世界において、ダイビングの技術革新がおこなわれていきます。
先を切り拓く人たちを、非難するのではなく、
テクニカルダイバーの言っていること、やっていることの中から、
自分たちに役立つものはないかよく傾聴し観察してみてください。
新しい気づきがあるはずです。


そしてテクニカル否定派のみなさんにお願いもあります。
テクニカルダイビングが大好きな人たちからしてみると、
テクニカルダイビングを馬鹿にされたり、否定されることは、
自分の大切なものを傷つけられているようで、悲しくなります。
つまりテクニカルダイバーも他人のダイビングを馬鹿にしてはいけないのです。


好きなダイビングをすればいいです。
お互いに寛容であるべきだと思います。
人の趣味にいちゃもんつけることは誰もハッピーにならないと思います。

価値観の違いは衝突が生まれやすいです。
情熱とはすばらしいことですが、
特にお互いが真剣であればあるほど、炎上します。

お互いの違いを理解して、より優れている部分があるのなら、
よりいいものを選択すればいいのです。
伝統に縛られる必要もありません。

とても重要な注意点もあります。
これは本当に重要です。
都合の良いところだけ選択して、
自分の苦手なところだけ見なかったことにして、
取り入れたとすると、その人が目を背けたことによって想定外のリスクが生まれます。

特にそれぞれの立場でお互いに発言しなればいけないこともあります。
それは安全に対して問題があるときです。
いまの日本のダイビングスタイルには安全の上、欠陥があることは断言できます。
もちろん日本の優れたプロフェッショナルは独自に安全になるように仕組みを作っています。
しかしそれはその人の影響力のある範囲でしか通用しません。

世界基準であるテクニカルダイビングで安全について考え続けている立場から意見はしていきたいと思っています。
ぜひ話を聞いてください。私も異なる意見に対して傾聴していきます。
互いにオープンマインドで。
指摘されたときの回答が、言い訳や屁理屈になっていないか、自身を見つめなおすことも必要ですね。

もしも相手が自分の意見を絶対曲げない、負けないことだけにフォーカスしているだけの人であるのなら、
それが例え屁理屈でも意見を押し通されるので、そのような方とは、話し合いにならないですから、
その場合はフェードアウトさせていただくこともあるかもしれません。



先日の展示会では、テクニカルダイビングの大先輩たちと交流でき、様々な意見を聞いて学ばせていたたきました。
これからの活動に反映していきたい思います。

スキューバダイビングが大好きです。
そこはみんな同じだと思います。
せっかく好きなことしているのですから、
みんなハッピーになれるようにこれからもブログでも発信していきます。



㈱インターナショナルトレーニングは
自社ダイビングプールがあります。

『ダイビングプール 管理大変ですよね~? 維持費とか~』
とよく聞かれます。

なぜプールを作ったのか、
作ってみてどうだったのか?
プール管理で学んだことや
プール利用のみなさまに知ってほしいことを
書いてみたいと思います。



なぜダイビングプールを作ったのか?


一番の理由はずっとダイビングプールのある環境で育ったということがあります。
大学の潜水部でも卒業後に勤めた大手ダイビングショップもダイビングプールを自由に使えました。

ダイビングショップを2000年にオープンしましたが、
やはりコンファインドウォータートレーニングはプールで行うのがベストだと考えていましたので、
車で20分かけてダイビングプールを借りて講習を行っていました。
プールは大切であるが、自由に使えないことはとても不便でした。
そのような経験もあるので、プールを利用してくれているダイビングショップさんにはできるかぎりの心配りをしたいと思っておりダイビングメーカーさんが提供していただいてるモニター器材を貸し出すことで、搬入する荷物の負担が少なくなるようにしています。

5年ほど土地を探して、2006年に名古屋市内にダイビングプールを建設しました。


ではなぜダイビングプールを作ったのか?
ダイビングスクールのコストを削減し、少しでも安価にダイバーを育てたいまたは安くダイバーになりたいという考え方もあると思います。それもひとつの選択肢です。

確かにプールがなくてもダイビング講習はできるのですが、
安全に快適に安心してダイビングを続けてもらうには、
じっくり確実にスキルを身につけてもらうには、大切なことをきちんと伝えるためには、
私個人の考え方として、それがコストではあるが良いダイバーを育てるためには
ダイビングプールが必要不可欠だと考えています。

どんなスポーツも同じだと思いますが、
基礎がしっかりしているとその後の上達はとても早いです。
またどんどん楽しくなりますし、快適さや安全性にもつながります。

だけどなかなかプールなんて作れないよ。
と言われます。
その通りです。

プールを作るのは覚悟がいります。

それでも作ったのは、
仕事としての達成感、満足感といいますか、
私はダイバーがきちんとダイビングを覚えて、
楽しんでいる姿をみるととてもうれしい気持ちになります。
ダイビングプールがあることでみんなに喜んでもらえるイメージにワクワクしました。
これが原動力だったと思います。



ここで掲載しているプールの写真は、
仲良くしている水中写真家の古見きゅうさんに建設して1年後に撮ってもらいました。


ダイビングプールの管理について


まず始めに利用者のみなさんに伝えたいのは、
『体と器材をきれいにしてからプールに入ってほしい』
ということです。

たぶん自分の家のお風呂でもみんなが使う温泉でも身体を洗ってから入浴すると思います。
プールもそれと同じように考えてみてほしいです。
ダイビングプール入水前には体と器材を清めてから入ってほしいのです。

日々のメンテナンスでプール管理担当者がとても清潔なプール環境を整えてくれています。
長年プール運営してきて、はじめの頃はノウハウがなかったので、失敗して透明度の悪いコンディションになってしまったときもよくありました。
いまは、プール管理方法が確立し、日々のメンテナンス担当者がさぼらなければ、きれいな状態を維持しています。現在メンテナンスを担当しているスタッフはきちんとさぼらずやってくれているのでとてもきれいな状態を維持してくれています。担当スタッフには、「海の透明度が悪いのは自然現象だから受け入れるべきものだ。しかしダイビングプールは人工的にコントロールできるものだから、日々管理を徹底することで実現すべきミッションだよ」と伝えています。

プールを汚すものは、目に見えるゴミと目に見えないゴミ、そして雑菌があります。
目に見えるゴミとは、髪の毛、砂、器材などから剥離したものなど。
目に見えないゴミとは、人や器材からでる、油分、皮脂、そして雑菌です。

目に見えるゴミは、掃除機のようにホースで吸い出しています。
毎週学生サークルの子たちが清掃に来てくれています。
1時間掃除してくれたら1時間トレーニングに使ってよいという約束です。
必ず忙しい中、毎週きてくれている名大エターナルブルーや名古屋外語大学スキューバダイビング部のみんなには感謝です。
日々プール担当インストラクターも気にかけて清掃してくれています。

次に目に見えないゴミはどうするのかというと、
これに必要なのは、ろ過装置(フィルター)と塩素と洗浄剤です。
目に見えないゴミは、フィルターではとれません。またプールによごれが戻ってしまいます。
つまり濁ったプールになってしまうのです。
そこで重要なのが、塩素と洗浄剤です。このふたつの効果は、目に見えないゴミを塊にして、
フィルターでとれるサイズにしてくれるのです。

しかしまだ問題があります。
まずは雑菌です。ほとんどの雑菌は、遊離塩素濃度2.0で死滅します。
しかし人体への負担を少なくするために、普段は水道水レベルの遊離塩素濃度にしています。
月曜費が定休日ですので、日曜の夜に遊離塩素濃度2.0まであげて、徹底して殺菌しています。

もうひとつは、人体からでる皮脂などのよごれが残留塩素と結合して、結合残留塩素が発生します。
身体に悪影響なのは、この結合残留塩素です。
結合残留塩素を取り除くには、遊離残留塩素を投入すること。
よって遊離残留塩素濃度を0.4ぐらいに保つことで、結合残留塩素を除去できるのです。

ちなみに結合残留塩素濃度を調べるには、試験管にプール水をいれそらにDPPをいれてしばらく放置したときに液体がピンクが濃くなれば、結合残留塩素量が多いか確認できます。またいわゆるプール塩素臭が強い時も結合残留塩素が多いとも言えます。結合残留塩素の完璧なコントロールは難しいですが、ある程度コントロール可能です。


最後にもう一度なぜ『体と器材をきれいにしてからプールに入ってほしい』のか?
見えない汚れが、プールの水質を悪くします。
プールの塩素が、人体に悪さするのではなく、塩素と身体からでるよごれがくっつくことで、
結合残留塩素が発生するからなのです。

クリーンな状態になって入水することを気にしてくれる方たちのグループのあとプールはあまり濁りませんし、結合残留塩素も発生しにくいです。

ぜひプールに入る前は、ファンデーションや整髪料そして器材の塩分やよごれを
落としてからご利用していただくことで、快適なプール環境を維持しやすくなります。
快適で清潔なプールの運営にご協力をよろしくお願いいたします。



2017年の年末から2018年のお正月にかけて、StreamTrailアンバサダー仲間の洞窟探検家の吉田さんや船と海のスペシャリスト土屋さんなど多くの仲間たちに手伝ってもらいプールの改装工事を行いました。本当に感謝です。



遊びのダイビングの世界では、バディシステムがあたりまえで安全という神話があります。

本当にそうなのでしょうか?

ダイビングの安全について、本質的に考えてみましょう。

単独潜水(ソロダイビング)は危険なのか? パート1はこちら



前回パート1でお話ししたのは、SDIソロダイバーコースは、単独潜水を推奨しているわけではないということです。

もちろん単独潜水を安全に行いたい人たちの為にノウハウや考え方を提供しています。
つまりこのコースでは本当の自立ダイバーとはなにか理解することができます。

スキルや知識そして経験が豊富だから、ダイビング事故が起きないのではありません。
ダイビングにおける本当の『自己限界範囲』は意外と自身では把握できていないものです。




なぜ単独潜水事故が起きたのか?


昨年もダイビング事故はいくつかありました。
事故率で考えると交通事故や登山事故より低くはありますがゼロではない。
なかには単独潜水の事故がいくつかありました。

とくに単独潜水事故が起きた理由を調べてみて、
結論から言うと、
一番の原因は、『自分の範囲を正しく把握していない』からだと思いました。

単独潜水に限りませんが安全潜水とは、
『限界』ギリギリに挑戦することではなく、
『余裕』をもつことがとても大切です。


テクニカルダイビングでは、ダイビング器材について徹底的なバックアップ性をもたせます。
それは器材だけではなく、スキル的な能力もバックアップ性をもたせることも重要です。
できる能力(限界)の2/3ぐらいの範囲にとどめることで、安全マージンを高くなります。
テクニカルが過剰なほどトレーニングを行うのは、技術的能力に『余裕』をもたせておくためなのです。



テクニカルと同じように単独潜水もこの考え方が必要です。

単独潜水事故でもその他のダイビング事故でも、
ベテランダイバーによくあるパターンは、
現地スタッフや仲間から、
「今日は荒れているから無理しないほうがいいよ」
と忠告をされているのに、

「いや私は大丈夫」
という何の根拠もない自信から無謀なダイビングを行ってしまった結果、
死亡事故につながっています。


ベテランになると何百本、何千本も潜りこんでしまうと、体調管理やトレーニングもろくにしていないのに、
なんの根拠もない自信だけ持っている人たちもいます。
なぜそんな自信があるのかというと、長年いろんな海で潜ってきてなにの問題も起こらなかったから。
経験による根拠のない自信。これが大きな理由だと思います。

日本のダイビングには、安全の為にトレーニングを継続して行うという文化があまりありません。
自然を相手にし、さらに自身の体調やメンタルの影響を受けるものなのに、
コンディションを整えておくという感覚が少ないように感じます。

ルールを破ったり、トレーニングしないことを自慢するような価値観から変わり
練習することはかっこいいことであり、
無謀なダイビングをしたことを武勇伝のように自慢げに語ることを恥ずかしいと思う文化になってほしい。
難易度の高いと思われる海でも『余裕』があり優雅に遊ぶことがかっこいいという考えてもらえるようになったら、
ダイビングは本当の意味で楽しいですし、安全性もとても高くなります。



初心者ダイバーでもベテランダイバーでもダイビングショップのオーナーであっても、
人間です。

体調が悪い時もありますし、コンディションによってはダイバーとしての能力が足りていない場合もあると思います。
心の中ではできていないことに気づいていても、
プライドが邪魔して、自分はできると思いこませてしまっている人もいるのではないでしょうか。


自分の本当の実力を認めること。それは今日、体調が悪いことも含めてです。
大切なのはオープンマインドです。

自分で把握することはとても難しいですから、
ここは本質を理解したインストラクターやトレーナーからの教育を受けることで達成しやすいです。
よって提供側のインストラクターは、講習生がオープンマインドになり、素直にアドバイスができる人間関係を築くことが大切です。

提供側は、お金をいただく立場なので場合によっては、教育的な発言をさけ、おだててもちあげて、できているような気にさせてしまうこともあるかもしれません。
もちろん、自己評価が低く不安を感じている方には、褒めて励まして、本来ある能力を正しく自己評価できるように伝えていくことも大切です。
ダイビング事故を減らすためには、的確な教育を行うことを提供側は考えなくてはいけません。


ダイビング事故を起こしやすい人の特徴はとてもわかりやすいです。

よい人間関係が築けている前提であっても
なにか指摘すると、言い訳が始まります。
これはオープンマインドではありません。

安全ダイビングを行うには、ダイビングに対して、嘘をつかないこと。
人に対しても、
自分に対しても。


自分たちのダイビングの権利を守りたい。


昨年もダイビング事故はいくつかあり、なかには単独潜水の事故がいくつかあったとお話ししました。
こうなると当たり前ですが、やはり単独潜水は危険だから禁止にしようという動きも強まっています。

ある意味では間違いではないですが、
本質的には正しいとはいえません。

交通事故率はダイビング事故率よりも高いのに、車を運転することを世の中が禁止することはありません。
取り締まられるのは危険運転を行う人たちのみです。
車は日常にあるものですから、よく理解されています。

単独潜水が一方的に危険と思われるのは、
ソロダイビングにおける正しいルールが理解されていないからです。

危険と思われる未知のことに対して思考停止させてクローズドにしてしまうことはよくあります。
それは安全管理の考え方のひとつかもしれませんが、ダイビングの可能性をどんどん狭くしてしまいます。

本当は方法はあって解決できることも多いです。
また不測の事態を考慮せず、根拠のない自信(経験則に由来するもの)から無茶をしてしまう人も少なからずいます。
このような行動が、ダイビングの閉鎖や禁止につながる場合も多くあります。

ダイビングを規制するということは、それだけ安全性は高くなりますが、
ダイビングの楽しさをますます狭くしてしまうことでもあります。

単独潜水万歳と言っているのではなく、
まずはソロダイビングの観点から本当の安全潜水は何か考えることによって、
ダイバーはより安全になり、世間からの安全に対する評価も高まり、信用され、
海の管理者たちから、ダイブサイトを奪われることもなくなります。

これは自分たちの楽しみを守るためにも、これから始めるダイバーたちのためにも
規制と管理はとても難しいことですが、ダイビング活動が制限されないように地道に伝えていきたいと思っています。
ぜひこのような活動にご理解ご協力をよろしくお願いいたします。


ルールといえば、ダイビング指導団体の定めた基準があります。
指導団体の基準を分析してみると、それは安全についてよく考えられたものであり、
基準を正しく解釈し用いることで事故率は飛躍的に減ります。
これは提供側のプロフェッショナルにも当てはまりますが、
まずはルールを守ることであるが、ルールを正しく解釈し、
自分自身がその根拠について考えづつけていくことも大切です。


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