ダイバーが水中で欠かすことができないものは、『呼吸ガス』ですね。

普段のダイビングでは、
残圧計をみて、少なくなったら、ダイビングを終了するという方法で安全にダイビングをしていると思います。
確かに、残圧計さえみていれば、残りどれだけいられるのか分かりますね。

しかし、水面まで足りるのだろうかと不安になったことはありませんか?
実はガス消費を予測しておくことはできるのです。

今回、お話ししたいのはテクニカルダイビングやソロダイビングで行っているガスマネジメントという考え方からレクリエーショナルダイバーにとって役立つことをお話ししたいと思います。

普段のダイビングで想像してみてください。
なにかあったら、すぐに直接浮上しても安全な環境なら、それほど重要ではないかもしれませんが、
例えば、
・ボートダイビングでアンカーまで戻らないといけない。
・水面は航路にもなっているので、直接浮上ができない。
・初めてのダイブサイトで、ガイドさんの潜り方や考え方がまだ分からない。
・ディープダイビングで予期せぬ事態になったらイチかバチかになる。

想像するとリスクの高い環境って普段のダイビングでもありえますね。

このようなシュチュエーションの時に役立つガスマネジメントについてお話ししていきます。

物事をシンプルにするには、複雑と思われることを単に順に辿っていくのが近道です。
数学嫌いの人はこのブログを読み進めると計算問題に拒絶反応出てしまうかもしれませんが、
ここででてくる計算はとっても簡単です。足し算、引き算、掛け算、割り算だけです。
辛抱強く順に読み進めてくださいね。

シリンダー(タンク)の容量を知る


日本のシリンダーの場合、最も普及しているのは、スチールメタリコンといわれるシリンダーで10リットルという容量が一般的ですね。また日本の残圧計では、満タンで、200barが一般的です。今回はこの10リットルの容量のシリンダーで200bar充填されているシリンダーで見ていきたいと思います。

200barとは200気圧ということで、我々の暮らす地上の大気圧1気圧の200倍に圧縮されていることが分かります。

10リットルのシリンダーに200倍詰まっているので、10リットル×200倍=2000リットルの容量があることが分かります。 

実は、シリンダーのサイズと圧力で、入っているガスボリュームを知ることができるのです。



自分の呼吸量を知る


さて、みなさんは、自分がどれだけ空気を消費しているか知っていますか?

実はとても簡単に計測することができるのです。
例えば、深度10mで20分を泳ぎます。使うシリンダーは10リットルのサイズだとします。
注意することは、深度を維持することといつものゆったりとしたペースで泳ぐことです。

この時に、残圧計をチェックします。スタート圧と終了圧をみます。
スタート圧が150barだとして、終了圧が110barだったとします。
150bar-110bar=使用圧は40barです。

さてここから3つの計算をします。

1つめは、使用ガスボリュームを計算します。
シリンダーサイズは10リットルですから、ガスボリュームを計算することができますね。
10リットル×40bar=400リットル消費したことが分かります。

2つめは、1分間の消費量を計算します。
20分で400リットル消費しましたので、
400リットル÷20分=1分間に20リットル消費したことが分かります。

3つめは、その深度での消費量を大気圧下(水面)での消費量に計算します。
深度を圧力に置き換える計算をします。
大気圧は1気圧。深度10mごとに1気圧加算されましたね。
よって深度10mの圧力は2気圧になります。
計算式にすると、深度10m÷10(10mごとに1気圧)+1(大気圧)=2気圧です。
2気圧とは地上(水面)の2倍消費することということですので、
深度10mでの1分間の消費量20リットル÷2気圧=地上での消費量は1分間に10リットルということが分かります。



このように水中で活動するダイバーが1分間に消費するガス量を計算できるのです。
これをRMV(Respiratory Minute Volume: 分時換気量)と呼んでいます。

このダイバーはRMV10リットルということになります。



もうひとつSACレート(Surface Air Consumption Rate: 水面空気消費率)という単位もあります。SCRと呼ぶこともあります。RMVと同義語になっていたりしますが、SACレートに関しては、実際に水面で活動せず静止した状態で1分間に消費するガス量を指しています。SACレートについてはSDIソロダイバーコースの実技で計測しています。

さきほどRMVの計測と計算方法についてお伝えしましたが、RMVとは、様々な影響によって変動します。
例えば、暖かい海でウエットスーツで快適な時と極寒の海でドライスーツで耐えている時でも変わりますし、
海の穏やかな時と荒れている時でも変わります。またそのダイバーの体調やメンタルの状態の違いでも変動するものです。

その変動をダイブファクターという数値に置き換えて使用量を予測することもできます。
例えば、軽装備でノンストレスなダイビングの時でしたら、SACレートに対してダイブファクターは1.5。
SACが8リットルだった場合は、SAC8リットル×ダイブファクター1.5=RMV12リットルと予測することができます。
また予測を元に実際のダイビングの数値を追跡していくことで、自分自身の正確なダイブファクターを予測することができるようになっていきます。

また最近のトランスミッター付きのダイブコンピュータの中には、潜りながらその都度、RMVをリアルタイムで見ることもできるものもありますよ。


どれくらいの時間、ダイビングできるのか知る

それでは、今から深度30mに潜ります。使うシリンダーは10リットル200bar充填されています。あなたのRMVは10リットルです。さてどれだけ潜れるでしょうか?

まず終了時の残圧を70bar残すとしましょう。つまりスタート圧200bar-終了圧70bar=130bar使用できます。
シリンダー10リットル×130bar=1300リットル使用できます。
深度は30mですから、水面の4倍消費します。そしてRMVから水面で10リットル消費することが分かりますから、

使用圧1300リットル÷4気圧(深度30m)÷RMV10リットル=32.5分 滞在できることが分かります。
※この他にもダイブテーブルなどでノンストップリミットなども確認しなければいけません
これらの実技はTDIアドバンストナイトロックスダイバーコースなどで行っています。
ダイビングを行き当たりばったりではなく、計画的に予測して潜ることができるようになりますよ。

今回はガスマネジメントをレクリエーショナルダイビングに応用できることをお話ししました。
以前に『エア切れについて考えていますか?』というブログを書いていますので、エア切れ対策についてはそちらを参考にしてみてください。

またどこかでテクニカルダイビングのガスマネージメントについてもお話ししたいと思います。



代表の加藤です。
今回はTDIのテクニカルダイビングコースの入門コースといえるアドバンストナイトロックスコースについてのお話です。
このコースの価値を考えていくと、なかなか悩ましいコーススタンダードで読み解くのが難解です。
今回は、このコースの価値やどんな器材コンフィギュレーションがいいのか考えてみたいと思います。



アドバンストナイトロックスとは?
アドバンストナイトロックスダイバーコースは、減圧停止不要潜水の範囲で、浮上時に酸素濃度の高いナイトロックスや酸素を使用し、窒素を酸素で押し出すように加速減圧することが目的です。

ボトムで呼吸するガスが、ナイトロックスではなく、エアを使用するような環境や、窒素がたくさん溜まってしまうような潜り方を行う場合に有効な方法でもあります。

また次のコースとなる『減圧手順ダイバーコース』と組み合わせることで、テクニカルダイバーとして基本となる潜り方を身につけていくことができます。

つまり、酸素40%以上のナイトロックスや酸素を安全に利用するために、様々な活用法があります。
そのためにスタンダードについて解釈が明確でないように感じてしまいます。

今回はテクニカルダイビングに進むためでなく、通常のダイビングの中で、アドバンストナイトロックスのノウハウを活用するためのトレーニングと器材コンフィギュレーションについてお話しします。


アドバンストナイトロックスダイバーコースをバックマウントシングルシリンダーで開催する場合の器材について

まずコーススタンダードを確認してみると必要器材には、
『プライマリレギュレーターに接続されたオルタネイトセカンドステージオクトパス、もしくはリダンダントスキューバユニット; 1.9L(13ft3)以上』とあります。
つまり器材としては、プライマリレギュレーターに接続されたオルタネイトセカンドステージオクトパスとあり、これは一般的なスクーバユニット(1つのシングルシリンダー+1つのファーストステージ+2つのセカンドステージ)でもよいと記載されています。



しかし水中スキルには、
『プライマリレギュレーターのフリーフローをシャットダウンサイクルによりコントロールし、バックアップレギュレーターへの交換をデモンストレーション』とも記載されています。

ここでスタンダードを読み解きながら??となってしまいます。

水中ドリルをクリアするためには、ボトムで呼吸できるリダンダンシーガスが必要になります。
つまり装備としては、プライマリースクーバユニット+リダンダンシースクーバユニット+デコ用ユニットという装備でなければいけなくなります。これがシングルバックマウントの場合に必要な装備となると思います。

ということは、一般的なスクーバユニットとデコ用ユニットだけではNGとなると考えられます。

しかし、そうではありません。次のような運用も可能ではあります。

SDITDIアメリカ本部のトレーニング部のブライアン・シーブさんと話し合ったところ、
『このコースを、シングルタンクバックマウントシステムでコースを受講する場合、ダイバーは、必要なスキルを実施するために、潜水中の深度で呼吸しても安全なミックスの入ったポニーボトルかステージボトルのどちらかが必要になります。
50%のようなナイトロクスミックスや純酸素はこの必要条件を満たしていませんが、より深い深度のMODで使用できるミックスはボトムガスとして満たすこともできます。なにかはっきりしないスタンダードとも読み取れますが、このコースで講習生にとって重要なポイントはこのレベルで真のリダンダンシーとは何かを検討し始める段階であり、まだアドバンストナイトロックスコースは減圧潜水も認められていません。よってそこまで厳しい基準を要求しているわけではないということになります。』

コーススタンダードとして、トレーニングの最大深度は40mまでとありますが、達成しなければならない深度はありません。
このコースを最大深度18mで開催してもスタンダード上問題ではありません。

ですから、トレーニングの最大深度を25mとして、ボトムをエアを使用し、デコガスをEAN40とするなら、デコガスをバックアップガスとして使用できますから、コーススタンダードとしてはクリアとなります。

しかし考えなくてはならないのは、次のコーススタンダードです。

修了者に与えられる資格
このコースを修了後、講習生は次のような条件下で直接監督なしで酸素21%~100%のEANを用いたダイビング行うことができます:
1. ダイビング内容が、トレーニング内容と同様
2. 活動地域が、トレーニング環境と同様
3. 環境条件が、トレーニング環境と同様
トレーニング内容やトレーニング環境とは、アドバンストナイトロックスダイバーコースで行われるトレーニング内容ということになります。

つまり、先ほどの内容で認定されたダイバーについて考えますと、
深度の浅い範囲で、シンプルな装備でしかトレーニングされていないことになります。
そのADナイトロックスダイバーが、認定後、活動する範囲がトレーニングと同等であるのなら、先ほどの内容でも問題はないかもしれません。

しかし、そのダイバーの活動範囲を考えたときに、トレーニング内容をミニマムで完了することは、賢明とは言えません。
担当するインストラクターもダイバーもこのコースのカリキュラムについてはよく検討する必要がありますね。

私個人の考え方としましては、せっかくのアドバンストナイトロックスコースですから、EAN50やO2を使用してこのコースでのメリットを講習生が享受できるようなコース内容にすることは大切ではないかと考えます。

またテクニカルインストラクターの中には、シングル装備よりダブル装備(バックマウントダブルやサイドマウントダブル)で、このコースに参加したほうが、器材コンフギュレーションも優れているし、効果的と考える方もいます。たしかにどちらが理にかなっているかといえば、ダブル装備になります。
しかしこのアドバンストナイトロックスは本格的なテクニカルダイバーだけのものではありません。
つまりダブル装備は使用しないが、シングル装備で、加速減圧(減圧停止不要限界範囲)を行う必要性のあるダイバーの場合は、シングル装備でダイブプラン内容に対して、適切な器材コンフィギュレーションを考える必要があります。
ダイビングの安全とは、型にはめて思考停止するのではなく、毎ダイブごとに、どうしたら、より安全で快適かを考え意識し続けていくことだと思います。


改めて最後に強調したいのは、
そのADナイトロックスダイバーがどのように運用するのかで、コースのトレーニング内容や器材についてよく相談して検討しなければならないということです。


今、私の環境はナイトロックスが自由に作れる環境になり、エアのシングル装備に酸素という組み合わせはあまり使用しなくなりましたが、以前、エアが最も使いやすい環境の時には、酸素を安全停止中に使用できることは大きなメリットでした。
きっとテクニカル以外でもアドバンストナイトロックスを必要するダイバーさんたちもいると思います。
例えば深度40mに潜るガイドやダイバーの場合は、安全停止中に、濃いナイトロックスや酸素を呼吸できることは、減圧症予防として大きな安全マージンになります。
このコースとトレーニングで必要なことをマスターして安全で効果的なダイビングを行っていただけたらと思います。


アドバンストナイトロックスマニュアルもリリースされました。



過去には海外製のシェルドライスーツを数着使用しましたが、今はWorldDiveのシェルドライスーツを10年以上5~6着を経て開発に関わりながら愛用しています。

過去、ブルークエストの田中さんやオケアノスの池田さんがアドバイザーで入り改良を加えてくれていました。
またテスターで現地ガイドのコンカラーの幸太郎さんが耐久テストをしてくれていたり、写真家の古見きゅうさんもワールドダイブのアンバサダーとしてシェルを愛用しています。私もずっと関わらせてもらっています。
様々なノウハウが役立てられて、国産のシェルドライが開発されていることに感謝です。

ワールドダイブさんのシェルドライは、もともと横ファスナーが定番なんです。
テクニカルダイビングの際に、この横ファスナーがベルトに干渉したり、器材コンフィグを整えるうえで、改良してほしいと要望を出していました。

数年前、ワールドダイブの社長と相談役と近しい関係にある東京の石川総一郎さんに付き添ってもらい、奈良にあるシェルドライスーツ工場まで自らシェルドライの開発を行うワールドダイブ社長と相談役に会いに行きました。
そこで、より理想の形になるように要望を伝えさせていただきました。
その後も営業の高橋さんや井崎さんとやり取りを重ね、テクニカルダイビングで、サイドマウントでもバックマウントでもCCRでも快適に使用できるような仕様を開発していただきました。いまはカタログにもIC9700という品番で露出するようにもなりました。ただ細かなところは私の仕様はカタログとはすこし違いがあります。
http://www.worlddive.co.jp/product/data/DRY_05_IC9700-IC7200.pdf

そんな私の使用するテクニカルシェルドライスーツについて、ちょこちょこ問合せをもらうようになりました。
仕様についてどうするといいのかわからなくてお問合せをいただいています。
遠方の方ですと、実物見せてご説明することもなかなか難しいので、このブログに画像と共にちょっと解説しておきたいと思います。



デザイン
まず、これが全体的なシルエットになります。
過去のワールドダイブのシェルは、着脱性をスムーズにするために、全体的に大きめのシルエットでした。
実際に使用してみると、かさばってごわごわすることは、ストリームラインに影響を与えますし、余った生地と生地が干渉することで、生地がダメージを受け、生地の傷みから水没の原因にもなってしまいます。そこで干渉しやすい膝回りなどを極限まで、細身に仕上げてもらいデメリットを軽減してもらいました。



素材
素材ですが、メーカーさんが世界各地で、より軽くて頑丈な素材を探し回って、何回ものテストを行い、理想的な素材を採用してくれました。アルティメイトクロス・ハイパーといいます。私以外にもスタッフの鐵本や新田が仕事で愛用していますが、なかなかの耐久性です。しかしなんども摩耗すれば当たり前ですが損傷して水没することになると思います。対策としてダイビングスキルを向上させ、スーツ素材に負担をかけないようにすることも大切です。また陸上でも水中でも膝をついて生地を摩耗させることは大きなリスクです。着底して水中写真など行う人は、膝パットをつけることをお勧めします。

ファスナー

一番苦労していただいたのが、ファスナーです。斜めファスナーを何年もかけてテストして開発してもらいました。
斜めファスナーは体格に合わせて、ファスナーの長さを調整しなければいけません。なかなか豊富なファスナーの長さのバリエーションが少ない中、YKKとTジップの長さの違いを利用して、多くの方にとってちょうどいい長さになるように調整をしてくれています。耐久性ではYKKが優れていますが、ファスナーを空けた状態では、ファスナーが簡単に破損し水没の原因になります。このあたりはドライスーツを熟知したインストラクターに取り扱い方法を確認して、長く愛用できるようにしてください。
Tジップも優秀なファスナーですが、万能ではありません。注意点を確認して使用していただきたいです。ファスナーは体格によって、どちらのファスナーがジャストフィットするかは分かりません。採寸データから、メーカーの職人にお任せしていました。いまはTジップマスターシールが標準になっています。体格によってはYKKへの変更も可能だと思います。
私はファスナーを右肩から左腰に斜めに取り付けてもらっています。これには理由がありまして、ファスナーを右肩から開けられるようにすることで、給気バルブを左寄せすることができます。サイドマウントの場合は、右からドライスーツ給気用のカプラーホースがでてきます。例えば、給気バルブが右寄りになりますと、とても短いドライホースが必要となり、短かすぎるホースはとても取り回しがわるくなると感じています。そこで、ファスナーを右肩から始めることで、給気バルブを左寄せにつけられるようにしています。あくまでこれは私の個人的な好みです。

給気バルブ
ファスナーの位置を変更することで、給気バルブの位置はとてもよくなりました。またワールドダイブの給気バルブは、上から押すタイプではないため、閉鎖環境で、なにかに接触して、予期せずして給気されてしまう可能性が低くなっています。

排気バルブ
テクニカルダイビングでは、ホリゾンタルトリムといって水平姿勢を基本とします。
通常ですと、ドライスーツの排気は、立ち姿勢になることで簡単に排気ができるようになります。
しかしテクニカルではそのような大きな姿勢変化なく、最小限の姿勢変化で排気を行いたくなるものです。
そこでこのバルブの位置もホリゾンタルトリムからほんの少し姿勢変化するだけでも排気ができるバルブの位置を指定しています。そのために生地の張り合わせるデザインなども変更してもらいスーツ職人さんには長年にわたって研究をしてもらいました。
また排気バルブはオートとロックをボタンひとつで簡単に切り替えができ、手動の排気も操作がしやすいです。
また故障がとても少ないこともポイントが高いです。
私の場合のバルブ使用方法は、エントリーから潜降まではオート。身体が安定したらロックにして、余分なエアがロスしないようにしています。また浮上を開始するころには、オートにしてマニュアル操作をしなくても姿勢変化だけで排気できるようにしています。



リスト排気バルブ
オプションでリストバルブが選べます。バルブを回すことで、オートとロックに変更ができます。
メインの排気バルブと同じく、エントリーから潜降まではオート。身体が安定したらロックにして、余分なエアがロスしないようにしています。また浮上を開始するころには、オートにしてマニュアル操作をしなくても姿勢変化だけで排気できるようにしています。



ファスナーは防水ファスナーを保護するためのアウターファスナーも採用されています。

クロッチバンド
シェルは着用するために上半身はすこし長めになっています。その余った上半身の生地を折り返して、体にフィットさせます。そして画像の赤い▼からでているクロッチバンドでとめています。
クロッチバンドは必要なのですが、このバンドが股で擦れて、股の生地が損傷して水没することが多かったです。
そこでクロッチバンドにはシェル生地と同じカバーをつけてこすれにくくしてもらっています。
そしてテクニカル器材は、ほとんどのユニットからもクロッチバンドが採用されています。
そこで今年からはすべて股の素材を二重構造にして擦れても水没しないような構造に変更してもらいました。




サイドポケット
サイドマウントではサイドポケットはあまり使用しませんが、バックマウント系の器材では、サイドポケットは必須です。オプションで両サイドに取り付けができます。



ゲイタ―
ドライスーツの膝下からブーツには余分な空気が入ることはできるだけ防ぎたいものです。
ワールドダイブの膝下は、オプションでゲイタ―といってベルクロで足回りにスーツをフィットさせることができます。

ブーツ
ノーマルは、一般的なドライスーツ用ブーツが一体化されて取り付けられています。着脱が容易で、一般的には、ドライスーツ用ブーツがお勧めです。しかし使用上の大きな注意点があります。シェルドライスーツは、もしも体が逆立ち状態で足にエアが溜まると、その浮力で、ブーツが足から抜けてしまうことは可能性としてあります。この状態になると、完全にフィンキックでのコントロールが失われます。このようなトラブルをさけるため。ドライスーツSPなどで、ドライスーツ内のエア移動テクニックや吹き上げ防止テクニックはマスターすべきです。
もしもスーツの着用に時間的な猶予が持てる環境のダイバーさんなら、もうひとつの選択肢としては、シェルドライスーツと一体化したウエット生地のソックスにしてしまうのもひとつです。その上から、シューズを履きます。現在、ワールドダイブではシューズはラインアップされていないため、自身でちょうどいいブーツを探さなければなりません。紐でしぼるようなシューズをはくことで、足に空気が溜まりフィンが外れてしまうような事態はさけられるようになります。デメリットは、着脱により一層時間がかかることです。



ネックシール・リストシール
シールは一つ目は、ラテックスタイプが選べます。予備のシールを携帯しておくことで、もしものシールの破れの時も、すぐに交換ができることが魅力です。また、これらのシールの方がフィット性がよく水没しにくいと評価するダイバーさんも多いです。

私は、日本のドライスーツでよく採用されているネオプレーンのシールを採用しています。理由としては、シリコンやラテックスのような交換用のリングがないため、手首や首回りがすっきりするからです。また昔からドライスーツのシールはネオプレンで慣れているため、私は慣れているためだと思います。またネオプレンは破れたとしても、ある程度の破れであれば、スーツボンドで接着でき、翌日のダイビングでもなんとか使用可能だからです。


アフターフォロー
ワールドダイブには二年間保証が付いており、二年の間のシールの損傷は、無償で交換をしてくれるというアフターフォローも含まれています。
国産の利点はやはり、修理の際のアフターフォローの充実さと修理期間の短さです。

注意点
いかがでしたでしょうか?  あくまで個人的な好みを含む内容ですので、参考の一つとしてもらえたらいいかなと思います。
また使用に関しては、個々の責任でお願いします。ドライスーツは商品の性能だけでなく、使う側のテクニックや使用法によってリスクが大きくなる場合もあります。ドライスーツを熟知したインストラクターからのアドバイスとトレーニングをしっかり受けられることをお勧めします。
当社でご購入の際は、このシェルドライスーツを熟知したインストラクターが責任もって対応いたしております。

ワールドダイブ_IC9700_加藤大典仕様
ネックシール: クロロプレン・ソリッドネック
リストシール: UMSフラットスキン
ファスナー: 右肩から左ウエスト  YKK PROSEAL(※体格によって選択できません)
フットタイプ: 高比重クロロプレンソックス(※通常はドライブーツをお勧めします)
オプション:  ガータシステム  リストバルブ サイポケット追加

撮影協力  戸村裕行氏 https://www.hiroyuki-tomura.com/about



代表の加藤大典です。
私の長男が8歳になりました。SDIでは、4歳からスノーケラーコース、8歳からダイバーコースがあります。ダイバーコースと言っても小児向けの体験ダイビングコースのようなコースで『SDIフューチャーバディプログラム』といいます。長男に体験させたい!

また私の父もダイバーです。首を痛めて、泳ぐ姿勢がつらくなったので本格的なダイビングは行わなくなりましたが、まだまだ元気に潜れます。

数年前に思いついた夢は、81歳、47歳、8歳の三世代ダイビング!!


私はダイバーですから、息子と一緒に潜りたいと思うわけです。
しかし、嫌々やらせたくない。。

長男が1歳のころには、こんなかんじで遊んでいました。
かなり平気だったのですが、、
2歳になり少しずつおしゃべりもできるようになると、水際の足のつくところは大好きですが、足のつかないプールは拒絶するようになりました(笑)


長男1歳 私40歳


長男4歳

ジイジ79歳 次男2歳 長男6歳

スノーケリングでジンベイザメにも会いました。

長男7歳


そこからは慎重な息子にすこしずつ機会を作ってスノーケリングやスキンダイビングを教え、スキューバで呼吸させたり、少しずつならしていきました。

そして8歳になり、『フューチャーバディコース』に挑戦です。


まずは、7月にやってみたいか聞いてみました。「うん、やる!!」 あっさり乗り気な息子!!  純粋に嬉しい!!

『フューチャーバディコース』の目的は、安全な環境かつインストラクターの直接的な監督下で8~12 歳の子供たちにスクーバダイビングを紹介する事です。制限としては、最大水深は6mまでの限定水域で行うことです。限定水域とは波などの影響のすくない水域のことをいいます。

まずは初日はプールでトレーニングです。紙芝居ようなスレートでダイビングの基礎知識を教えます。
前日には、ダイビングで大事な二つのルールを予習しました。①息はとめないこと。②あわてずゆっくり浮上すること。覚えるように伝えました。
当日聞いてみると、①息する。 ②あわてない。ずいぶんまとめられてしまったので、もう一度伝えなおします。





水中で行うトレーニングは、
1. 適切なウエイト調整
2. 潜水前のセルフチェックとバディチェック
3. マスククリア(一部浸水、完全浸水)
4. BCD の使用方法
5. 浮力コントロール
a) 潜降速度と浮上速度のコントロール
6. レギュレーターの使用方法
7. 適切なフィンキックによる水中移動
8. 残圧計の使用方法
9. 水中でのコミュニケーション方法

一通り練習し、はしごにつかまり耳抜きも教えます。プールでは3mまで潜ることができました。
所要時間は4時間弱でした。
evisには4.3リットルのミニシリンダーがあるので、8歳くらいの小さな子供でも背負って歩けます。

二日目は、海へ!!


次男4歳 箱眼鏡大好き


みんな同じ顔(笑)



父の希望で本当は沖縄に行きたかったのですが、高齢者をつれていくのは今はリスクとなるため、車で行ける場所を選びました。

行先は、北陸の敦賀です。名古屋から車で2時間。
私が29年前、オープンウォーターを取得し、ダイブマスターまでのトレーニングのほとんどを行った思い出の場所です。

最初は砂遊びや水遊び。海に慣れてきたところで、いよいよスキューバダイビングです。




改めて、この海の楽しみ方を伝え、注意点も伝えます。

私「この海にはタツノオトシゴやタコなどいろんな生き物がいるぞ!!  だけどオニオコゼとか危険な生き物もいるから注意が必要だぞ!!」 長男「・・・・」

完全にオニオコゼという言葉にビビっています。私「大丈夫、いたずらしたり踏みつけたりしなければ怒らないから~ちゃんとお父さんもみておくから!!」 しかしどんな言葉も届かず完全に身構えています。。

私「親指を立てたハンドシグナルは、浮上したい、終了したいというサインだよ。何かあったら、このサインだ!」

安全確認して三人で潜降開始します。父と長男にOKサインをだすと、父からはOKサイン 長男からは浮上サイン。
水面にて、私「どうした?こわいか?」 長男「うん。」私「大丈夫! プールでできただろ。」長男 無言で潜降サイン。

オニオコゼが気になって、慎重に潜る長男。
私: ほら、アミメハギだぞ。長男:OK  
私:; ほら、タツノオトシゴだぞ。長男: OK  父: OK
私: ほら、タコだぞ。墨を吐くタコ。 長男:めちゃビビって飛び上がる。(もちろん手が届くところにいるので、浮き上がらないようにサポート)

水深4m 三世代でのダイビングはなんとか終了。

ダイビング終了後、私:「どうだった?」 長男:「すげーな。タコ!! 日記に一番の思い出って書こっと」

余裕のダイビングとはなりませんでしたが、とても感動してくれました。これからすこしずつ、立派なダイバーになってほしいと思う父でした。

次の目標は、4年後、父85歳 私51歳 妻●●歳 長男12歳 次男8歳で潜ることです。あくまで目標です。みんなで潜れたらいいな。





evisでも8歳以上である程度、水泳のできるお子様に『SDIフューチャーバディプログラム』を開催しています。
親子で参加もできますよ。
プールだけのコースも開催できるので、コロナで外出できないこの夏休みにこんな体験はいかがでしょう?



スキューバダイビングインストラクターは、スキューバダイビングの楽しさや安全を司るキーパーソンであります。
ダイビングインストラクターには、様々な能力が必要とされます。
このブログでは、その中でも、『安全を伝え管理するエデュケーター』としての能力開発についてお伝えしたいと思います。


『安全を伝え管理するエデュケーター』として大切なことは何か?


まず一番は、インストラクター候補生がインストラクターになった後に応用力を活かすことができるようになるための指導していくということです。
IDC(インストラクター開発コース)では、インストラクションを行う必要最低限のことしか伝えられません。
もちろん伝え方についてとても頭使って組み立てますし、インウォーターでも安全管理するためにずいぶん頭を使います。
それでもこのコースでは、マニュアル主義的な方法で、安全にダイビング運営ができるように、効率よくトレーニングを進めていきます。これは指導団体の定めるスタンダードを理解し理念を見通しクオリティを保つためにとても大切です。
一週間ほどのIDCの中で最もシンプルで安全な方法を考えて覚えて、現場で確実にコースができるようにトレーニングしていきます。
しかしこれだけでは完成とはいえません。
ニューインストラクターの皆さんは現場経験を積みながら、応用力を養っていくことが重要です。
応用力を最大限引き出すためには、IDCやIEC(SDI TDIでは、最終試験コースのことは、インストラクターエバリュエーションコースの略でIECと呼ぶ)の中でのコースディレクターやインストラクタートレーナー(SDIではコースディレクターの上位ランク)が候補生たちに、使用するマニュアルやスタンダードの意味を考えさせることがとても重要です。例えば、「なぜマスククリアはこの方法で行うのですか?」とか「なぜオクトパスは右出しなのですか?」など質問されたインストラクターが、「私のインストラクターからそうやって習ったから。」とか『それがルールですから』いう回答しかできないなら、それは思考停止しているともいえます。
インストラクター候補生や講習生たちからの様々な疑問に『なぜなら~』という回答ができることが理想です。

インストラクターを教えるコースディレクターやトレーナーが、指導団体が決めたカリキュラムをマニュアル主義でコースを開催するだけなら、コースディレクターはそれほど能力を発揮しなくてもマニュアルに従ってコースを進行することができます。
しかし思考停止していることを気づかせていくためには、インストラクター候補生をよく観察して、思考停止しているウイークポイントを常に刺激してあげる必要があります。


『思考停止しない』インストラクターであることが大事な理由


ダイビングインストラクターがマニュアル主義で完結することがなぜリスクなのか?
指導団体のマニュアルや優秀なインストラクターが考えたカリキュラムを使用するインストラクターがそのロジックをあまり考えないことにはリスクがあります。
たとえ、誰かが考えた秀逸なカリキュラムであったとしても(とくに同じスクールで複数のインストラクターのチームで指導するときには共通のカリキュラムは必須)なぜこのような組み立てなのかそのロジックの考えを巡らせ、自分が運用するときには、なにか落とし穴はないのか考えることはとても重要です。
マニュアル主義であってもそうそうアクシデントにつながることは少ないです。しかし、アクシデントは想定外のところでも起こるものです。アクシデントが起きたときに、「想定外でした。」では済まされません。想定外まで想定できる思考をもつことが、ダイビングがもつ潜在的リスクを打ち消していく大きな力になります。
そして私たちインストラクターは、ダイバーに最も安全なダイビング論を伝えていく伝道師です。ダイビングに関わる全ての事柄を理論武装することは時間のかかることですが、インストラクターになったときをスタート地点として、そこから、ダイビングの「なぜ??」にお答えができるようにブラッシュアップを続けていくことがとても重要です。


インストラクターアップデートの重要性


インストラクターが思考停止せず応用力を養っていくためには、日々の実務経験をどう思考しているかで差がついていきます。
よく思考するニューインストラクターにとって、実務経験は『気づき』の連続です。
しかし実務経験や置かれている職場環境だけでは、『気づき』にも限界があります。
さらなる『気づき』の可能性を引き出してくれるのが、アップデートトレーニングです。
もちろんダイビング以外の学びの場でも様々な『気づき』は得られますが、まずはここではダイビングのことだけにフォーカスしますと、トレーナーから習うスペシャルティインストラクターコースであったり、指導団体やリーダー的なトレーナーが主催するアップデートトレーニングであったり、テクニカルダイビングやフリーダイビングなど自分が経験していない分野のダイビングコースに参加することでも大きな『気づき』の機会を与えられます。
ダイビングインストラクターは日々、講習生に対してアウトプットをしています。人に教える立場の教育者には、アウトプットと同時にインプットの機会を多く作ることが、よりよいインストラクションの礎となります。



インストラクターの適性とは? インストラクタートレーナーのあるべき姿とは?


インストラクターには多岐にわたる様々な能力が必要とされますが、それぞれ得手不得手はあると思います。
体力、精神力、脳力、技術力そして様々なアウェアネスなどいろいろ。
では能力の低い人、劣っている人が事故を起こすのかというと意外とそうではないのです。

最も大切なのは、自分の能力を的確に把握しているかどうかです。
どんなに能力が高くても、自分を過大評価していたり、安全面で自分の持てる能力のぎりぎりでダイビングを計画しているインストラクターは、なにかがひとつ欠けたときに、アクシデントに対応できなくなります。やはり自分の能力開発はできるかぎり自身のトレーニングで行うもので、インストラクションの時には、能力の7割くらいの力で運営し、余裕をもたせること。これが安全に対するバックアップになります。

インストラクターとして適性のない人とは、自分を過大評価していたり、安全について周囲からアドバイスされているのに、『聞く耳を持たない人』です。必要なのはオープンマインドであることです。
もちろん指摘されるアドバイスの中には間違っているものもあるかもしれません。しかし思い込みで、他の意見に対して考えることなく、我が道を行く人の中には、素晴らしい能力を兼ね備えているにも関わらず、残念な結果となってしまった結末をたくさん見てきました。
インストラクター候補生の中で、自分のことを客観的に見ることのできない、いわばセルフアウェアネスが欠けている方や思考停止して決めつけてしまうタイプの人は、どんなに能力が高くてもインストラクターとしての資質の欠如を疑わなくてはなりません。
またIDCやIECの中でたとえ、基準ぎりぎりであったとしても、思考力やセルフアウェアネスが備わっている方なら、自分の能力の範囲で、無理せず安全範囲を策定して堅実にダイバーコースを運営していくことが想像できます。

またコースディレクターやトレーナーとは、インストラクターを裁けるような偉い立場ではありません。
私がSDI TDIのトレーナーとなり気づかされたのは、あくまで、候補生の能力を観察し、正当に評価する能力が要求されるということです。
トレーナーとは公平に広い視野に立ち、インストラクター候補生と関わりあうことが重要です。
すべての分野の最低基準をクリアすることは必須ですが、大切なことは全体的な能力のバランスです。
たとえウィークポイントがあったとしても、それを補う別の能力を備えているのであれば、インストラクターとしての資質に問題ないと考えるべきです。
インストラクターからインストラクタートレーナーまで含め、教育的評価者とは、批評家や裁判官など裁くような立場ではありません。
候補生に内在する素晴らしい能力を肯定的に引き出し評価し伝えられる能力。その候補生が、より良くなるために愛あるアドバイスを伝えられる能力。インストラクターやインストラクタートレーナーなどダイビングの教育者にはこのような姿勢が大切なのです。